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スルーセブンシーズ凱旋門賞4着好走生んだ日本馬向きの馬場と「小柄な牝馬」は今後の大きな指針となる

スポーツ報知
  • 2023年10月03日(火) 06時00分
 第102回凱旋門賞が1日、フランスのパリロンシャン競馬場で行われ、地元フランスのエースインパクト(牡3歳)がデビューから無傷の6連勝で頂点に立った。日本から参戦のスルーセブンシーズ(牝5歳)は4着。世界を舞台に好走した要因を海外本紙担当の西山智昭記者が「思う」。

 見せ場十分だった。スルーセブンシーズは前評判こそ高くなかったが、世界最高峰の舞台で4着。直線は狭い馬群を縫いながら素晴らしい伸び脚を披露し、世界の強豪と互角に渡り合った。

 好走の要因は2つある。まずは馬場だ。昨年はG1馬2頭を含む歴代最多の日本勢4頭が参戦したが、直前の雨による欧州独特の重馬場に苦しみ、全馬が2ケタ着順。今年は稍重だったとはいえ、映像で見る限り走りやすそうで、実際に過去10年で2番目に速い勝ち時計で、昨年とは約10秒も違った。軽い馬場を好む日本馬向きの馬場だった。

 もう1点は適性を重視する傾向が高まったことだ。ひと昔前は日本で実績を残した馬の挑戦が当たり前だったが、幾多の敗戦から得た経験、データが徐々に重視されるようになった。尾関調教師はノーザンファーム天栄の木実谷雄太場長から「凱旋門賞はそこまでごつくない牡馬や牝馬が走っている」という説明を受けたという。実際、凱旋門賞の1次登録に名前があった関東馬2頭(他にサリエラ)は450キロ以下の小柄な牝馬だった。

 もちろん、体型だけで決まった挑戦ではない。「(凱旋門賞出走は)結果次第」と位置づけられた宝塚記念イクイノックスの首差2着と健闘。その後に福島のノーザンファーム天栄を取材した際、木実谷場長から「レース後の回復が早くなって、成長している」と聞いた。様々な要素が積み重なった結果、G1未勝利馬でも白羽の矢が立った形だ。

 尾関師は13年の凱旋門賞(オルフェーヴル2着、キズナ4着)を現地で観戦。「参加してみたい」思いが実現した挑戦だった。日本馬が5着以内を確保したのは、くしくも13年以来。G31勝の実績でも好走できた結果は、今後の大きな指針となるはずだ。(西山 智昭)

スポーツ報知

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