全日本的なダート体系整備の一環で、今年から、「
ネクストスター」の名を冠した重賞が南関東を除く全国各地に新設された。1着賞金1000万という高い賞金設定には、各
地方競馬でデビューする2歳馬のレベルを底上げする狙いがある。
10月2日現在で、既に金沢と佐賀で
ネクストスターが行われたが、出走条件を満たした他場からの移籍馬を抑えて、それぞれ生え抜きの馬が優勝しており、今のところ、件の目的は順調に達成しているように見える。
ただ、今年の結果を鑑み、来年以降、その「移籍馬」が勢力を強める可能性は否定できない。まずは引き続き各場の結果を注視していきたいところだ。
さて今週は、その多くの「移籍馬」たちの源流であるところの門別でも、
ネクストスターが行われる。
栄冠賞馬
ストリーム、これを退けて
イノセントCを勝利した
トラジロウ、サッポロクラシックCを逃げ切った
オスカーブレイン、牝馬重賞リリーCの勝ち馬
シシャモフレンドという、重賞ウィナー4頭が顔を揃えた。
「
ネクストスター」の中で最もレベルの高いレースになるだろうことは言うまでもない。
予想をする上でも、やはりその4頭から中心馬を選ぶのが妥当だろう。ただ、それらの対戦成績からもうかがい知れるように、今年の2歳重賞戦線は、性別や距離問わず、どの路線も戦うたびに勝ち馬が変わるという、例年にない混戦模様である。この傾向を踏まえれば、あえてまだタイトルを得ていない馬に目を向けることもできるわけだ。
その視点から浮上するのが、重賞初挑戦の2頭、
デュアルロンドと
エイシントルペードである。前者は2走前のオープン戦で
トラジロウとハナ差の勝負をした経歴があり、末脚の爆発力はここでも脅威になりうる。また、ここまでのデータから重賞の基準タイムは1分14秒台半ばと考えられるが、後者は前走でそれをクリアしている。
重賞2勝目を挙げる馬が現れるのか、それとも最後まで混沌とした戦況が続くのか。いずれにせよ、スター候補が集結した必見のレースだ。
(文:競馬ブック・板垣祐介)