スルーセブンシーズが惜しくも4着に敗れた
凱旋門賞の前日(9月30日)、ある“事件”が起きていました。同じパリロンシャン競馬場で行われたG2ショードネイ賞(芝3000メートル)で
ダイワメジャー産駒ダブルメジャー(セン3)が勝利したのです。
カレンブラックヒルや
セリフォスをはじめ多くの名馬を輩出しながらも
JRAの平地の重賞勝利は1800メートルが最長だという
ダイワメジャー産駒。ですが、現役時代管理していた上原博調教師に聞くと「
凱旋門賞を使えばよかったかな」と冗談めかしつつ、「
ダイワメジャー自体も
有馬記念で3、3着ときているように距離の融通は利いたからね」とのこと。特に07年の
マイルCS勝利から挑戦した
有馬記念は上がり2位の脚を使って見せ場十分。これは幅広い距離適性がなければ成せない走りといっていいでしょう。
そんな同馬の現役時代を担当した飯田助手にさらに詳しく聞くと「ジンクスブ
レイカーみたいなところがあるからね。ノド鳴りの手術をした馬がGIは勝てないって言われていた時代にGI(06年
天皇賞(秋))を勝って、
サンデーサイレンス産駒が唯一勝てないといわれていた
安田記念も勝ってね。血統を超越するのがサラブレッドってよく言われているけれども、やっぱりあの馬はジンクスを壊す何かを持っていたんじゃないかな」。
さらにジンクスブ
レイカーとしての資質は子供たちにもしっかりと受け継がれているようです。
「最近は年を取ってきているけど芝やダート、馬場を問わずにいい競馬をしてくれるからね」と上原博師が語るようにプライベート種牡馬となっても多くの強豪を送り出し続ける
ダイワメジャー。今週は15日の障害GII・
東京ハイジャンプ(芝3110メートル)に産駒の
ホッコーメヴィウスが出走。
イロゴトシや
ニシノデイジーらにチャレンジするなどまだまだその勢いは止まりません。
ホッコーメヴィウスのハードル界制圧?
新潟2歳Sを勝った牝馬
アスコリピチェーノの
オークス制覇?
初の長距離重賞制覇の次は、どんなジンクスを壊してくれるのか、非常に楽しみです。
(美浦のジンクス破壊待望野郎・権藤時大)
東京スポーツ