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【天皇賞・秋】イクイノックス、G1・5連勝へ木村哲也調教師「ドバイ、宝塚よりいいだろうなというのがある」

スポーツ報知
  • 2023年10月24日(火) 06時15分
◆第168回天皇賞・秋・G1(10月29日、東京・芝2000メートル)

 第168回天皇賞・秋は29日、東京競馬場で行われる。G1・4連勝中でレーティング世界1位でもあるイクイノックスは連覇を目指す一戦。管理する木村哲也調教師(50)=美浦=が今年の戦い、愛馬の成長、今回の意気込みを語った。

 イクイノックスが秋の初戦を迎える。昨年のこのレースからたった1年で国内外のG1・4連勝。圧倒的な存在感を見せつけて、世界一に上り詰めた。挑戦者だった昨年とは違う立場で挑むレースになる。

 「受けて立つ、とかはない。毎回、一つ、一つやっていくだけ。そんなに甘くない。ぜいたくなはずなんだけど、そんな余裕はないですよ」

 強さが際立つ連勝街道だが、3月のドバイ・シーマクラシックは裏で過酷な戦いもあった。

 「美浦検疫の1週間がつらかった。まるっきり一頭で、カイバを食べなかった。メンタル的にやられて、いいトレーニングができなかった。信じてもらえないけど、当日ぎりぎり間に合ったという感じ。当該週に追い切ってから上昇傾向になった。当日はカイバを食べて、猛獣のようになっていた。戦闘モードに入るというか、本当にそこにうまくはまった。運が良かった」

 栗東に滞在し、調整した6月の宝塚記念も試練は続いていたという。

 「栗東の人も?マークだったはず。有馬記念の時はオーラが出ていたが、宝塚は薄っぺらかった。栗東滞在の最初の10日間くらいはつらくて、右トモ(後肢)の蹄鉄の打ち方を替えたり。最善策を試行錯誤していた」

 ただ、レースでは大外からまとめて差し切り、改めて強さを証明した。

 「強い競馬をしたと思う。状態が良くなかったのに結果を出すのはすごいというか、偉いというか。簡単に問題が解けちゃうイメージですよね」

 4か月ぶりの復帰戦。ルメールが騎乗した18日の1週前追い切りは近2戦とは明らかに違う抜群の動きを見せつけた。

 「ドバイ、宝塚よりいいだろうなというのがあるし、ジョッキーにもそれを感じてもらいたかった。ホームでやれるからリラックスしているのもある。本番まで長いので、(有馬の頃の前進気勢に)たどり着けるかも」

 以前は体質の弱さがあったが、4歳秋を迎え確実に変化してきている。

 「皮膚病とかも出なくなったし、内臓面が負けてしまうというのは解消されている。そういう意味では成長している」

 かつて、愛馬を「天才」と言い続けてきたが、今はどの位置にいるのか。

 「天才は変わらない。厩舎の司令塔ですね。昔は引っ張ってもらっていたけど、今はチームリーダーになって、(集団調教で)隊列の先頭に立っているから」

 今回はダービーで敗れたドウデュースとの再戦が注目を集めている。

 「(ドバイで馬体を見て)すげぇな、これと思った。オーラが出まくり。しっかり自分の厩舎の仕事に取り組むだけなんだけど、(天皇賞・秋は)素晴らしい厩舎が、素晴らしい馬を出してくる。ファンの方にはそこを見てもらいたい。その一端を担えるように責任を背負ってやりたい」(取材・構成=松末 守司)

 ◆木村 哲也(きむら・てつや)1972年11月16日、神奈川県生まれ。50歳。神奈川大工学部建築学科卒。アイルランドの牧場勤務を経て、00年にJRA競馬学校厩務員課程を卒業。美浦の佐藤征助厩舎などで厩務員、助手などを務め、11年に開業した。JRA通算2596戦357勝で、重賞はG1・5勝を含む24勝。海外でもG1・1勝を含む重賞2勝。18年にJRA賞最高勝率調教師優秀技術調教師をダブル受賞。

スポーツ報知

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