「
アルゼンチン共和国杯・G2」(5日、東京)
モレイラマジックがさく裂した。直線坂下、密集した馬群が一瞬あいた隙間を割り、1番人気の
ゼッフィーロが一気に抜け出した。3度目の重賞挑戦で手にした初タイトル。池江師は「“
ブラボー”としか言いようがない」と、マジックマンの絶妙な手綱さばきを絶賛した。
後方で脚をため、直線は徹底したイン狙い。坂下で前が壁になりかけ、一瞬「焦った」とモレイラは振り返ったが、そこは土曜6勝、そしてこの日も5勝の固め打ちを決めた名手。的確な状況判断でわずかなスペースを見逃さなかった。「突っ込んでくれて素晴らしい脚を使ってくれた。いい馬です」と相棒の勝負根性をたたえる。
重賞初挑戦の
目黒記念が4着、前走の
オールカマーは3着と着実に
ステップアップ。今回は当初除外対象だったが、回避馬が出たことで抽選を突破して出走権を得るなど運も味方につけた。
今後はジャパンC(26日・東京)、
香港ヴァーズ(12月10日・香港シャティン)、
有馬記念(12月24日・中山)と3つのレースを視野に入れる。「選択肢が広がったのは収穫。次走はオーナーと相談したい」と指揮官。馬名の由来はイ
タリア語で「春のそよ風」。季節は秋だが、G1戦線に新風を吹かせる日は近いかもしれない。
提供:デイリースポーツ