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小栗実調教師36歳の挑戦「4戦4連対ナナオ」「小柄ながら物怖じしないプシプシーナ」で史上7人目の快挙に挑む/トレセン発秘話

東京スポーツ
  • 2023年12月08日(金) 18時01分
 今年の阪神ジュベナイルフィリーズ(10日=阪神芝外1600メートル)は「新種牡馬」の産駒が多数出走することで注目を集めている。京王杯2歳Sを制したコラソンビートスウィープフィートの父スワーヴリチャードを筆頭に、ブリックスアンドモルタル(クイックバイオ)、カリフォルニアクローム(スプリングノヴァ)、アルアイン(テリオスルル)、ニューイヤーズデイ(ニュージェネラル)と新種牡馬の産駒がトータル6頭もスタンバイしているのだから、新しい風を感じずにはいられない。

 一方、「新人」に目を移せば、今年3月に新規開業した小栗実調教師が管理するナナオプシプシーナの2頭をGIに初エントリー。開業初年度でのGIタイトル奪取となれば、2008年鹿戸雄一調教師(ジャパンCスクリーンヒーロー)以来となるJRA史上7人目の快挙(グレード制導入の1984年以降)となる。

 もっとも、当の若き指揮官は「挑戦させていただけるのはありがたい。ただ人間のほうがイレ込んで、いつもと違うことをしても、いいことはないですから。普段通りに臨めたら」と大一番を前にも泰然自若。目の前のことを一歩ずつ確実に、地に足をつけた日々を重ねながらも…。

「GIで中途半端な仕上げをするわけにはいかない。しっかり100%の力を発揮できるように仕上げないと。そう思っています」と胸の内には熱いものを燃やしている。

 プシプシーナは新馬→白菊賞と無傷の2連勝。410キロ台の小柄な馬ながら「どこに行っても物怖じしない性格で、普段はメンコをしなくても調教を普通にこなせるくらい。特に牝馬は競馬場に行ってイレ込む馬が多いが、そのあたりの心配がないのはこの馬の強みですね」と腕を撫す。中1週のタイトな臨戦過程も「いい意味でオンオフがしっかりしていて、全然疲れていない。体重こそ変わらないが、筋肉がボリュームアップしてきた」なら心配ご無用だ。

 ナナオはここまで4戦4連対。崩れることなく着実にステップアップして、前走のもみじSで待望のオープン勝ちを手にした。「前走は残り100メートルくらいで流す余裕があった。強い内容だったと思います」と振り返る指揮官は「初めての距離、(直線に)坂のあるコースなど未知数の部分はあるが、この馬の強みは心肺機能。それを生かせる競馬ができれば、勝負になるんじゃないかと」。プシプシーナだけでなく、両馬ともに色気を持っての参戦となる。

 そんな小栗調教師のモットーは「固定観念にとらわれないこと」。GI初挑戦の高い壁を打ち破り、競馬界に新たな風を吹かせるのか。その手腕に注目せずにはいられない。

(栗東の馼王野郎・西谷哲生)

東京スポーツ

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