24年目のリベンジなるか――。今年のリーディングサイアー1位、2位を占める「父ミスタープロ
スペクター系」は00年の初出走以来、
有馬記念で未勝利。いったいなぜか。過去の出走を振り返り、種牡馬勢力図が一変した
エポックメーキングな年に「初V」があるかを検証しよう。
父系単位で
有馬記念の勝ち馬を見た時、近年は
サンデーサイレンス系とロベルト系が大半を占める。ロベルト系の泰斗
ブライアンズタイムの産駒が
有馬記念に登場した94年以降、この二系統以外の種牡馬が勝利したのは29回で4回のみ。96年
サクラローレルと20年
クロノジェネシス(レッドゴッド系)、00年
テイエムオペラオーと18年
ブラストワンピース(
ノーザンダンサー系)だけで、他の勝ち馬の父は全て
サンデーサイレンス系かロベルト系。意外というべきか、日本でも大きく繁栄し、世界の血統勢力図においても一大版図を誇るミスタープロ
スペクター系(以下ミスプロ系とも表記)が未勝利。23年のリーディングサイアーは、ついに
ディープインパクトが産駒の減少に伴って首位から陥落。1位を僅差で争っているのが
ドゥラメンテと
ロードカナロア。いずれも
キングカメハメハ直子で、ミスプロ系だ。血統勢力図の潮目が変わった年になるからこそ、これまでにない事象が起こる予感は、血統をたしなむ人なら多くが感じるはず。そう、リーディング奪取の祝いとばかりに、ミスプロ系種牡馬の産駒が初の
有馬記念制覇を果たす予感だ。(仙波広雄)
○...ミスタープロ
スペクター 1970年1月28日、米国ケンタッキー生まれ。父レイズア
ネイティブ、
母ゴールドディガー(母の父ナシュア) 現役時代は14戦7勝、重賞未勝利。75年クレイボーンファームで種牡馬入り。活躍馬を多数出したほか、「種牡馬の父」としても後継が多くいる大種牡馬。世を去る29歳のその年まで種付けをこなしたタフガイ。
スポニチ