今年の
有馬記念の売り上げは、前年比104.6%の545億7963万4000円で、3年連続の増加となった。売り上げが540億円を超えたのは、
テイエムオペラオーが制した00年の583億8460万900円以来で23年ぶり。したがって21世紀になって以降では最高の売り上げとなった。
売り上げが伸びた理由は一つではないだろうが、近年稀に見る混戦がファンの購買意欲を掻き立てたことは間違いない。今回は上位7頭が横一線ムード。振り返れば21世紀で最高の伸び率となる前年比110.7%の売り上げとなった14年も、単勝3.5倍から4.6倍の1〜3番人気に
ゴールドシップ、
エピファネイア、
ジャスタウェイの3頭が並び、少し離れて8.7倍の4番人気が
ジェンティルドンナという難解戦だった。それだけに混戦具合と売上には一定の相関関係があるとみていいだろう。
では、1強ムードの時は売り上げが落ち込むのだろうか。そこで
ディープインパクトが有終の美を飾った06年を見てみると、何と前年比88.2%。また、86年以降では最低となる前年比80.2%だった00年は、
テイエムオペラオーが年間負け知らずの8連勝、GI出走機会5連勝を達成したレースだった。仮にスターホースであっても、単勝1倍台の圧倒的1番人気がいる年は売り上げが伸びないといえるようだ。
ちなみに過去最高は
サクラローレルが勝った96年の875億104万2400円。これは日本の競馬における1レースの売上最高額として、ギネス世界記録にも登録されている。今年は売れたといっても、当時との差は約330億円だから、まだまだ物足りない。競馬人気がさらに高まり、売り上げが全盛期に戻る日を心待ちにしたい。