2月いっぱいで定年となる中野栄治調教師が、
中山金杯(4歳上・GIII・芝2000m)の
マイネルクリソーラ(牡5)で5年ぶりの
JRA重賞制覇を狙う。
中野栄治調教師は71年に騎手デビュー。ジョッキー人生を語る上で欠かせないのは
アイネスフウジンの存在だ。89年に朝日杯3歳Sを制してGIジョッキーの仲間入り。翌90年の
皐月賞はスタート直後の不利が堪えて2着に終わったが、続く
日本ダービーを鮮やかに逃げ切り。約20万人の大観衆から「ナカノ!ナカノ!」の中野コールが沸き起こった。これは競馬場で勝利騎手に向けられた最初のコールとされている。
95年に騎手を引退して、96年に厩舎を開業。ここまで
JRA通算で285勝。GIは
トロットスターで01年の
高松宮記念と
スプリンターズSを制覇。重賞は7勝を挙げているが、19年
函館スプリントSの
カイザーメランジェが最後となっている。
中山金杯には
マイネルクリソーラで挑む。下級条件で惜敗が続いた時期もあったが、昨夏から充実モードだ。2023WASJ第2戦を制してオープン入り。昇級戦の
オクトーバーSこそ展開不向きで6着に終わったが、
アンドロメダSでは2着に好走。勝った
ディープモンスターの決め手には屈したものの、オープンでも通用することを証明した。ここは初めての重賞挑戦となるが、相手なりに大崩れなく走れるタイプ。立ち回り一つで、定年間近のトレーナーに久々のタイトルを届けるシーンが期待できそうだ。
【中野栄治調教師の
JRA重賞勝ち】
・00年
CBC賞・
トロットスター(
蛯名正義)
・01年
シルクロードS・
トロットスター(
蛯名正義)
・01年
フラワーC・
タイムフェアレディ(
蛯名正義)
・01年
高松宮記念・
トロットスター(
蛯名正義)
・01年
スプリンターズS・
トロットスター(
蛯名正義)
・15年
フェアリーS・
ノットフォーマル(
黛弘人)
・19年
函館スプリントS・
カイザーメランジェ(
江田照男)