4年ぶりに京都競馬場で行われるシンザン記念。出世レースとして名高い一戦で、舞台は京都金杯と同じAコース使用のマイル戦。2角の引き込み線からスタートして坂の頂上を目指すのは同じだが、まだ体力が付ききっていない3歳馬の場合はスローペースになることが多く最後の直線で瞬発力勝負になることが多い。京都競馬場で行われた過去10年(2011〜20年)で推定上がり最速馬は【3-3-2-3】となっている。

　◎ナイトスラッガーは中京競馬場芝1600m未勝利戦優勝馬。今回と同じ京都競馬場芝1600mのデビュー戦でも最後の直線で前をカットされる不利がありながらも立て直されたあとの伸びは目を引くものだったが、この時は半マイル通過50.6秒というスローペースを4-5番手の好位追走し、最後の直線では11.6秒、11.1秒というレースラップの流れを豪快に突き抜けた。500kgを超える大型馬で、母はCBC賞優勝トーホウアマポーラ。おじにはトーホウジャッカルがいる良血ファミリーというのも魅力的だ。

　〇ショーマンフリートは中山競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。逃げた馬が作り出した前半3ハロン35.3秒という速い流れをがっちりと手綱を抑えたまま離れた3番手で追走。道中で息を入れると、最後2ハロン11.6秒、10.9秒の流れを楽に差し切った。予定していた東京スポーツ杯2歳Sを回避せざるを得なかったのはマイナスだが、父は昨年の新種牡馬チャンピオン。おじに豪州G1勝ち馬がいて、近親に欧州の重賞勝ち馬が名を連ねる母系も魅力たっぷりだ。

　▲ノーブルロジャーは東京競馬場芝1600m新馬戦優勝馬。前半1000m通過が63.4秒という超が付くスローペースだったが、行きたい馬を行かせての2番手追走から最後の3ハロンは11.6秒、10.7秒、11.1秒の流れの中でゴール前で力強く抜け出した。難所といわれる坂のくだりを上手くクリアできれば楽しみな存在になりそうだ。

　△エコロブルームは東京競馬場芝1600m未勝利戦を楽勝してきた。同じ舞台だったデビュー戦はごちゃつくような展開で思う存分能力を発揮できなかったが、前走で留飲を下げた。ダイワメジャー産駒で母は米国のファンタジーS優勝馬。マイル適性は高そうだ。

　△アルトゥームは中京競馬場芝1400m新馬戦優勝馬。スタートはあまり上手ではなかったがスローペースで流れて最後の3ハロンが11.9秒、11.2秒、10.9秒という加速ラップを外から豪快に差し切った。まだ奥がありそうだ。キャリアの浅い馬が多い組み合わせとなった今回はキャリア豊富な△タイセイレスポンス、△デルシエロまで食指が動く。