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北村宏×アスコリピチェーノ 万全な状態で物語の続きを

スポニチ
  • 2024年01月12日(金) 05時05分
 【競馬人生劇場・平松さとし】9日、2023年度のJRA賞が発表された。全295票中293票を獲得して年度代表馬の座に輝いたイクイノックスなど、圧倒的な票を集めた馬もいる中、レモンポップウシュバテソーロが争った最優秀ダート馬など、票が割れた部門もあった。

 中でも最も接戦となったのが、最優秀2歳牝馬部門。例年なら阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)の勝ち馬で半ばオートマチックに決定するが、今年は牝馬のレガレイラが牡馬を相手にホープフルS(G1)を快勝。そのため阪神JFの覇者アスコリピチェーノとの票取り合戦となった。最終的には例年通り阪神JFの覇者が選定されたが、その差はわずかに31票。163対132という僅差の勝負になった。

 「光栄です」

 受賞を耳にして、アスコリピチェーノを管理する黒岩陽一調教師はそう言った。

 このようにJRA賞争いでは僅差の辛勝になったが、実際のレースでは「自信がありました」と同師は語る。

 「新潟2歳S(G3、1着)以来の競馬だったけど、約3週間前には栗東トレセンへ移動させ、そこでもカイバを食べていたし、調教の動きも良いモノでした。だから結構、自信を持って臨めました」

 レース直前には、さらにその自信を後押ししてくれることがあった。一緒に装鞍をした北村宏司騎手の口からも、自信を感じさせる言葉が漏れたというのだ。

 「北村騎手は良く言えば慎重で、聞き方次第では消極的に思える面があります。でも、そんな彼が自信を持っている感じだったので、これなら任せて大丈夫だと確信できました」

 結果、その見立て通り勝利できたことで、JRA賞の受賞にもつながった。

 さて、久しぶりのG1制覇を飾った北村宏騎手は、この年頭も早々に勝利。好発を決めたかと思えた矢先、落馬。鎖骨骨折でしばらく戦列を離れることになってしまった。不幸中の幸いで、アスコリピチェーノ桜花賞(G1)には余裕で間に合いそう(黒岩師)とのこと。万全の状態で帰って来て、再び物語の続きが紡がれることを期待したい。 (フリーライター)

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