【競馬人生劇場・平松さとし】今年の
ペガサスワールドCターフ(米国、G1)を制したのはウォームハートだった。同馬は、昨年の末、
レーベンスティール(牡4=田中博)が出走したG1
香港ヴァーズにも出ていた。
JRAでも馬券が売られ、3着に善戦したので覚えておられる方も多いだろう。アイルランドの伯楽エイダン・オブライエン調教師が管理する牝馬だ。
オブライエン調教師といえば、昨年は本場英国のダービー(G1)など、G1を勝ちまくった
ディープインパクト産駒の
オーギュスト
ロダンや同じく英国のセントレジャー(G1)を制した
ハーツクライ産駒の
コンティニュアスなどでもたびたび話題になったが、今の名の挙がった3頭全てにまたがった男がいる。01年10月生まれだから、まだ22歳の境優真氏だ。
福岡で生まれ育った彼は、騎手を目指し競馬学校を受験したが不合格。長身でもあったので、その道は諦めたが、馬の仕事をしたい気持ちまでは折れることなく、エイシンステーブルなどで働いた。22年4月にはアイルランドへ渡りK・コンドーン厩舎を経て、同年10月からはオブライエン厩舎へ移った。そして、
オーギュスト
ロダンなどにもまたがる経験をしたのだった。
「エイダンは素晴らしい人格者で、いろいろと貴重な経験をさせてもらっています。
コンティニュアスは
ジャパンCに出走する予定で、出発まで1時間という時点でアク
シデントが起きて遠征できなかったのですが、無事に来日できていれば、僕も同行させてもらう予定だったんです」
現在、シーズンオフを利用した約1カ月の休暇中で帰国している境氏はそう言った。
そんな彼を昨夏、
田中博康調教師に紹介したところ、今回、美浦トレセンの厩舎を訪問。田中博師の案内で最優秀ダート馬
レモンポップを見た後、馬場や坂路コース、プールなどの施設を見学した。
「施設が充実していて驚きました」
そう語る一方で次のようにも言った。
「エイダンもそうですが、欧州だとプライベートでこういった施設を持てている調教師が多く、そこは欧州の方が良いのかな?とも感じました」
この後は小倉競馬などを観戦後、アイルランドへ戻る予定だという。 (フリーライター)
スポニチ