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【フェブラリーS】3連単153万馬券呼んだ!ペプチドナイル波乱V 藤岡佑6年ぶり!武英師初!G1制覇

デイリースポーツ
  • 2024年02月19日(月) 06時00分
 「フェブラリーS・G1」(18日、東京)

 大波乱の幕開けとなった。今年最初のJRA・G1を制したのは、11番人気の伏兵ペプチドナイル。好位から力強く抜け出し、G1初挑戦でビッグタイトルを手にした。藤岡佑は18年NHKマイルC(ケイアイノーテック)以来6年ぶり2度目のJRA・G1制覇。武英師は開業7年目にして初のG1タイトルを手にした。2着は初ダートに挑んだ5番人気のガイアフォース。3着には13番人気のセキフウが入り、3連単は153万馬券に。1番人気のオメガギネスは直線失速して14着に敗れた。

 最後の直線。人気を背負った面々が、激流にのまれて脱落する。そんなサバイバルレースを制したのは、まさに“大河”を連想させる名のペプチドナイル。先行勢でただ一頭、シビれる手応えで流れに乗ると、難敵の猛追を振り切り栄光のゴールへ。こん身の右ステッキで鼓舞した藤岡佑は、スタンドへ向けて“どうだ!”と言わんばかりに右手を突き上げた。

 好発を決めて好位に取りついたが、前半3Fの通過が33秒9というハイラップ。外からウィルソンテソーロがかぶせてきたが、それには付き合わず、「3角で一列下げたのが勝因。あそこで突っ張っていたら勝利はなかった」と鞍上は振り返る。ためが利いたことで、最後にもうひと伸び。あまりにも早く先頭に躍り出たのは想定外だったが、「何とか粘ってくれ!と。直線は長かった。馬自身が頑張ってくれました」と相棒をたたえた。

 以前は逃げ一辺倒だったが、藤岡佑の手綱で脚質転換に成功。前走の東海Sこそ6着に敗れたが、「最悪な枠だった。この馬は取りたいポジションで収められるかが大事。その点、今回はパッとイメージが沸いた」と自信を持って臨んだ。武英師との思惑も一致。敗戦を糧に、ポジティブな発想が勝利を引き寄せた。

 武英師はこれがG1初制覇。「他の馬で人気して勝てないことが続き、G1の壁は厚いと感じていた。本当にうれしい」と安どの表情を浮かべた。沼川一彦オーナーには「ジョッキー時代、一番しんどいときにお世話になった」と恩義を感じていた。それだけに「何とかこの馬でと思っていた」と胸をなで下ろした。

 弟のようにかわいがってきた後輩とつかんだ勝利。師は「厩舎の初勝利も、初G1もユースケでした」と頭を下げる。そんな中、藤岡佑が「“良くやったな”と言ってやりたいです」といたずらっぽく話せば、指揮官も「さらに生意気になるんだろうなと思います」と笑顔。友情タッグで今後もともに高みを目指す。

 次戦について、師は「結構使っているのでまず体調を見てから」と明言を避けたが、賞金の心配がなくなり「馬に合わせたローテを組みたい」と前を向く。レモンポップウシュバテソーロ不在のG1を制した“暫定王者”の立場かもしれないが、「秋に向けて力をつけ、チャレンジできれば」と鞍上に慢心はない。決意を新たに、視線の先には既に真の頂上決戦を見据えている。

提供:デイリースポーツ

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