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かつてGIIから格下げ危機も ニュージーランドTの「レーティング」その後

  • 2024年04月03日(水) 07時45分
 今週末、中山競馬場でニュージーランドトロフィー(3歳牡牝・GII・芝1600m)が行われる。3着馬までNHKマイルカップの優先出走権が与えられ、GIへとつながる重要な一戦だが、最近までGIIから格下げの可能性があった。

 日本で行われているGI〜GIII=グレードは、主催者が独自に定めているわけではなく、JRAやNAR、アジア競馬連盟などの担当者によって組織した「日本グレード格付け管理委員会」によって決められている。

 格付けにいたる条件は多岐にわたり、「競走数はGIよりGII、GIIよりGIIIが多くなるようにしなければいけない」「本賞金は1着○万円かつ総額○万円以上にしなければいけない」といった内容が、2歳、3歳、古馬ごとに詳細に定められている。一例を挙げれば、2歳GIでは「1着3200万円以上かつ総額5400万円以上」「3歳GIIIは1着3000万円以上かつ総額5100万円以上」といった具合だ。

 また、もう一つ大切な要素として、「レーティング」がある。ニュージーランドTの場合は、これが基準以下だったことから降格危機に。4着までに入線した馬のレーティング平均値=年間レースレーティングが2年連続して3ポンド以上も基準値を下回ったため、22年1月に日本グレード格付け委員会から警告を受けた(下記参考)。

【レースレーティング】
3歳GII基準値=110.00
3年連続して107.00を下回ると降格審査。

2019年 106.75
2020年 106.50
2021年 103.50(※適用除外)
※アジアパターン委員会が定めた新型コロナウイルスに関する特例により、2021年の数値は適用除外となった

 21年は特例により適用除外となったため、22年も107.00以下だった場合、いよいよ降格審査が行われる可能性もあった。しかし22年は108.75、23年には113.00を獲得。近2年で大きく持ち直したため、格下げの危機は免れた。そして昨年1月には正式にGII格付け継続の発表も出ている。

【近3年のレーティング】
2021年 103.50(※適用除外)
2022年 108.75
2023年 113.00

 昨年も紫苑SがGIIになるなど格上げされる重賞は多いが、格下げになったJRA重賞はCBC賞鳴尾記念京都新聞杯(その後GIIに再昇格)のみ。降格を免れた同レースでは昨年、NHKマイルCでニュージーランドT組がワンツー決着を決めた。果たして今年は…。大舞台の行方を占う意味でも見逃せない一戦となりそうだ。

◇レーティングとは
競走馬の能力を指数評価する国際統一基準でポンドを単位とする。日本においては、重賞競走とオープン競走に出走した全ての競走馬に付与。通称「SMILE」(スマイル)と呼ばれる競走距離を示す記号とセットになっており、その距離区分の競走で獲得した数値であることを示す。

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