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単勝71倍の伏兵イングランディーレと横山典騎手が一人旅 天皇賞(春)での7馬身差逃走劇から20年

  • 2024年04月25日(木) 07時45分
 「伏兵の大逃走V」をテーマにファンの声を聞けば、プリテイキャストメジロパーマークィーンスプマンテなどとともに、名前があがることは間違いないだろう。ちょうど20年前の2004年5月2日の天皇賞(春)横山典弘騎手に導かれ、イングランディーレが7馬身差の逃げ切りを決めた一戦を振り返りたい。

 単勝オッズが10倍以内の4頭は全て4歳馬だった。1番人気のリンカーン、2番人気のネオユニヴァース、4番人気のゼンノロブロイサンデーサイレンス産駒、3番人気のザッツザプレンティダンスインザダーク産駒。当時、全盛だったSSの血を引く馬が中心と目されていた。一方、ホワイトマズル産駒イングランディーレは、ダートのダイオライト記念(2着)からの転戦。前年には芝の日経賞を制していたが、単勝オッズ71.0倍の10番人気という超伏兵だった。

 そんな状況に燃える男がいた。このレースで初コンビとなった横山典騎手である。イングランディーレの持ち味、そして相手を分析し、導き出した策が逃げ、それも大逃げだった。五分のスタートから押して押してハナへ。2番手以下との差を徐々に開いていく。向正面の半ばでは、2番手のアマノブレイブリーとの差は約4秒、後方のネオユニヴァースとは100m以上の差があったはずだ。まさに一人旅で、後続の騎手が「まずい!」と思った時には遅かった。ラスト2Fを12秒1、12秒4でまとめて7馬身差の逃げ切り。してやったりとばかりに、横山典騎手は左手でガッツポーズを見せた。

 GI馬となったイングランディーレだが、その後も個性的な道を歩むこととなる。次走には英アスコット競馬場で行われる伝統の一戦・ゴールドCを選択。天皇賞(春)と同じようにハナを奪ったが、大逃げは叶わず9着に敗退した。帰国初戦のブリーダーズゴールドCで2着の後、左前浅屈腱炎を発症。復帰後に4戦したが、勝利には手が届かず引退。韓国で種牡馬となり、20年12月12日に老衰のためこの世を去った。その血は代表産駒の12年コリアンダービー馬チグミスンガンなどを通し、異国の地で広がっていく。

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