「
ヴィクトリアマイル・G1」(12日、東京)
3冠牝馬を追い詰めた末脚で、頂点まで突き抜ける。阪神牝馬Sを制した
マスクトディーヴァが
秋華賞以来、2度目のG1挑戦で頂点を狙う。その
秋華賞では
リバティアイランドを上回る上がり3F33秒5の末脚で2着。同世代の最大のラ
イバルがいないここは、たとえマイルG1馬ら強敵相手でも負けられない戦いだ。
春の女王に君臨するため、2走続けてマイルを走るなど距離対応も万全だ。
東京新聞杯は出遅れが響いて6着に敗れたが、前走の阪神牝馬Sで巻き返してマイル適性を証明。それも、これまでの後方待機策ではなく好位から抜け出す競馬ぶりに、辻野師は「前走はそこまでつくり込んでいないなか、内容の濃い競馬。次に向けて収穫の多いレースでした」と期待を膨らませる。
師の言葉通り、確かな上積みを感じさせたのが1週前追い切りだ。栗東CWでの3頭併せで最後方から追走す形で、馬なりのまま5F66秒9-37秒9-11秒5で、
ブリックワーク(3歳未勝利)と同入、
ロードオルデン(5歳2勝クラス)に1馬身先着した。内を通ったとはいえ、重たい馬場でも軽く促されるだけで瞬時に反応し、仕上がりの良さをアピールした。
「しっかり負荷をかける中でフォームも良く、思った以上に動けていました。いい方向に向いています」と師。課題のゲートも毎週、入念に駐立の確認をしており、「穏やかな気持ちでこなしてくれています」と2走前と同じ轍(てつ)を踏むつもりはない。
まだ完成は先。それでも師は「中身が入り、昨秋よりも一段階上がったと思います」と確かな成長を強調する。馬名の由来は“仮面の歌姫”。名手モレイラを背に、未完の大器が勝利の凱歌(がいか)を響かせる。
〈1週前診断〉栗東CWで6F84秒7-37秒9-11秒5(馬なり)を記録。中の
ブリックワーク(3歳未勝利)と併入、外の
ロードオルデン(5歳2勝クラス)に半馬身先着した。2頭を大きく追走して4角で並び掛けると、直線は余力十分に伸びてきた。軽快なフットワークで引き続き順調だ。
提供:デイリースポーツ