スマートフォン版へ

【ヴィクトリアM】父ルーラーシップを調教 開業4年目の調教師が娘マスクトディーヴァとのGI初制覇にかける思い

スポーツ報知
  • 2024年05月07日(火) 06時00分
◆第19回ヴィクトリアマイル・G1(5月12日、東京・芝1600メートル)

 古馬牝馬のマイル女王を決める第19回ヴィクトリアマイル・G1(12日、東京)で、開業4年目の辻野泰之調教師(42)=栗東=がマスクトディーヴァで人馬ともにG1初制覇を目指す。助手として修業を積んだ角居勝彦厩舎の所属時に携わったルーラーシップの娘に、勝負の仕上げを施す。

 辻野調教師が、重賞2勝のマスクトディーヴァと初めてのG1取りに挑む。愛馬を初めて見たのは1歳の夏。“これから”の馬だと認識した。

 「とにかくきゃしゃで、頼りないという印象を受けました」

 父は12年の香港・クイーンエリザベス2世C制覇など、国内外で活躍したルーラーシップ。辻野師が角居厩舎(21年2月に勇退解散)で助手を務めていた当時、調教に携わる機会があった。

 「乗っていたのはデビュー前で、馬場の1本目の追い切りも乗りました。その時点で『これは絶対走るな』と感じたぐらい。すごくフットワークの柔らかい、全身バネのような馬でした。(父と比べると)マスクは、頼りなさが残ってるなと強く感じましたね」

 その印象を覆したのが、昨年のローズSだった。芝1800メートルの日本レコードを0秒8も更新し、重賞初制覇を果たした。

 「僕らがびっくりしました。トライアルのG2でメンバーもそろう中で『勝てます』と言えるだけの完成度かと言われると、そうではなかったので」

 決してピークが早まったわけではない。4歳になっても、想像以上の成長曲線を描いている。

 「ここで成長が止まったら嫌だな、という気持ちはありましたが、いい意味で裏切ってくれました。メリハリがついて、馬体重以上にバランスの取れた体。パッと見て『いい馬』と言えるようになりました」

 4歳初戦は、今回と同舞台の東京新聞杯を選んだが、痛恨の出遅れで6着。前走の阪神牝馬Sは一転して好位から抜け出し、流し気味で快勝した。

 「東京新聞杯でやりたかった競馬をしてくれました。作りこんだ状態ではなかったですが、余裕を持った勝ち方。五分にスタートを切れば、いい位置で競馬ができる。収穫の多いレースでした」

 開業4年目。これまでG1には18回挑戦し、2度の2着がある。

 「もう一歩のところまで来られてるなと感じていますが、実際勝てていないので。何かが足りなかったかな、と考えるようになりました」

 G1タイトルに向け、意気込みもひとしおだ。

 「時計どうのこうのは問題ありません。上がり勝負になっても、速い脚を使えます。何とか、取らせてあげられたらと思います」

 週末の決戦へ、万全の仕上げで送り出して勝負をかける。(水納 愛美)

 ◆辻野 泰之(つじの・やすゆき)1981年8月29日、大阪府まれ。42歳。06年から栗東・角居勝彦厩舎で調教助手を務める。20年に調教師免許を取得し、21年3月に開業。同年の関屋記念・G3(ロータスランド)で重賞初制覇を果たした。JRA通算84勝、うち重賞7勝。G1は延べ18回の出走で、22年高松宮記念(ロータスランド)、23年秋華賞(マスクトディーヴァ)の2着2回がある。

スポーツ報知

みんなのコメント

ニュースコメントを表示するには、『コメント非表示』のチェックを外してください。

ミュート・コメント非表示の使い方
  • 非表示をクリックし「このユーザーの投稿を常に表示しない」を選択することで特定のユーザーのコメントを非表示にすることができます。(ミュート機能)
  • ※ミュート機能により非表示となった投稿は完全に見えなくなります。このため表示件数が少なく表示される場合がございますのでご了承ください。なお、非表示にしたユーザーはマイページからご確認いただけます。
  • 『コメント非表示』にチェックを入れると、すべてのニュース記事においてコメント欄が非表示となります。
  • ※チェックを外すと再びコメント欄を見ることができます。
    ※ブラウザを切り替えた際に設定が引き継がれない場合がございます。

アクセスランキング

注目数ランキング

ニュースを探す

キーワードから探す