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【追憶のオークス】10年アパパネ、サンテミリオン1着同着 蛯名と横山典 屈託なき笑顔の抱擁

スポニチ
  • 2024年05月15日(水) 07時00分
 後にも先にもこの1度きり。10年オークスは1番人気アパパネと5番人気サンテミリオンが鼻面を並べてフィニッシュし、G1史上初となる1着同着となった。

 筆者は元々、美浦トレセン担当。“西高東低”を長く味わった身としては、国枝栄師蛯名正義騎手(アパパネ)、古賀慎明師横山典弘騎手(サンテミリオン)の4人が喜び合っている様子を見て、関東馬も強くなったと素直にうれしくなったことを覚えている。

 ともに8枠でアパパネが17番。サンテミリオンが大外18番だった。レースはニーマルオトメの逃げで始まり、サンテミリオンが10番手付近、アパパネはその背後、13番手付近を進んだ。

 直線を向き、アグネスワルツが先頭に立ったが、脚色がいいのは外から伸びたピンク帽の2頭。アパパネサンテミリオンだ。

 残り100メートルを切ると、実況はこの2頭に集中した。「アパパネか、サンテミリオンか」を3度繰り返し、「全く並んでゴールイン」。スローで見ても、どちらが勝ったか分からなかった。

 写真判定は実に12分。検量室のホワイトボードの1着欄に仲良く「17、18」と書き込まれると、関係者、報道陣の間から自然と拍手が起こった。

 お立ち台に立った蛯名。横でインタビューの順番を待っていた横山典を呼び寄せた。「感動した。負けなくてよかった」と笑わせた蛯名に対し、横山典は「2人で一生懸命やった結果、素晴らしい!」。そして互いに「おめでとう!」と言い合い、抱き合った。

 勝負に厳しい2人が屈託のない笑顔を見せて抱き合っている風景は面白くもあり、奇妙でもあった。これがG1同着という珍事が生み出す独特の風景なのだろう。もう2度と見ることはないのだろうな。そんなことを漠然と思いながら見つめたことを強烈に覚えている。

 ちなみに蛯名と横山典による、大舞台での1着同着は初めてではない。92年帝王賞ラシアンゴールド(蛯名)とナリタハヤブサ(横山典)での1着同着があった。何とも縁のある2人だ。

 今後、1着同着があるとすれば、どの騎手のペアが見たいか。横山和生横山武史の兄弟同着だろうか。でも、照れくさくて抱き合うことはないのだろうな。

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