今年の
安田記念には2頭の外国馬が参戦する。勝てば06年の
ブリッシュラック(BullishLuck)以来、18年ぶり4頭目の外国馬V。それはさておき、過去3頭の勝ち馬のうち、唯一日本人騎手が手綱を取ったのが95年の
ハートレイク(HeartLake)。
武豊騎手がゴドルフィンブルーの勝負服を身にまとい、見事な手綱捌きを見せた一戦を振り返りたい。
当時の
武豊騎手は26歳。92年から3年連続で全国リーディングを獲得し、
武豊時代の到来を告げていた。その手腕は日本に遠征してくる外国馬の陣営にも魅力的に映ったのだろう、93年の
安田記念では
キットウッド(
Kitwood、6着)の依頼を受け、
JRA重賞で外国馬に初騎乗。また、社台
ファームの吉田照哉代表が所有していた
スキーパラダイス(Ski
Paradise)では、前年の94年の京王杯ス
プリングCを制し、
JRA重賞を外国馬で初勝利。さらに同年の仏G1ムーランドロンシャン賞では、日本人騎手として海外G1初制覇を成し遂げていた。
そして
JRA・GIで5回目の外国馬騎乗となったのが、95年の
安田記念の
ハートレイクだった。前走の京王杯ス
プリングCでは0秒3差の5着だったが、その背中を知ることができたのは大きかった。この日は6番枠からまずまずのスタートを決めて、中団のインを追走。直線でも内に進路を見つけると、ジワジワと脚を使って先頭へ。大外からグングン伸びた
サクラチトセオーを僅かにハナ差抑え、日本人騎手騎乗の外国馬による
JRA・GI初制覇を果たした。
その後、外国馬は何度も
JRA・GIを制しているが、日本人騎手が手綱を取ったのはこの一回しかない。次に達成するのは誰なのか。いずれにしても「さすが
武豊!」と感心するばかりである。