「第47回
弥生賞・GII」(芝2000m)は7日、中山11Rに13頭で争われた。役者が違い過ぎた。最内枠を引いた
ヴィクトワールピサは、終始内に包まれる厳しい展開。直線に入ってもなかなか前が開かなかったが、狭い間を割ると、先に抜け出した
エイシンアポロン(2着)をあっさりかわしてゴールした。これで4連勝。過去22頭のクラシックホースを輩出した出世レースを難なく突破した。3着には
ダイワファルコンが入り、以上3頭に
皐月賞への優先出走権が与えられた。
「前が開けばいつでも抜け出せる手応え。最後はすごくいい脚だった」。騎乗した
武豊はレースを振り返る。今回は本番の
皐月賞と同じ舞台での競馬。それだけに「初めての馬込み、道悪、折り合い、輸送をクリアしてくれた。いい
トライアルになった」と高く評価した。
武豊にとってはこれが7回目となる
弥生賞制覇。「
弥生賞男ではなく、本番男と言われなければ」と意識は
皐月賞へ向いている。
くしくもこの日の中山では、厩舎の先輩
ウオッカの引退会見が開かれた。「
ウオッカが
ヴィクトワールピサや
ルーラーシップという後継者を育ててくれた。心のどこかに引っ掛かりは残るが、今後に課題を残してくれたと思っているし、また新たな緊張が始まる」。角居師は看板娘がやり残した世界制覇の夢を後輩2頭に託した。引き継がれた“
ウオッカイズム”。その精神をまずはクラシックの舞台で爆発させる。
提供:デイリースポーツ