目を疑う光景だった。現役最強馬の
オルフェーヴルが、2周目の3コーナーで外ラチ沿いへと大きく逸走。4コーナーでわれに返ったかのように馬群に取りつき、直線では豪脚を駆使して盛り返したものの万事休す。直線をロスなく運んだ勝ち馬をとらえることはできず2着に終わった。
単勝1.1倍と圧倒的な1番人気に支持されたが、ファンの思いに応えることはできなかった。青ざめた表情で引き揚げてきた池添は「本当に申し訳ないです…。完全に耳が外ラチに向いていましたしね。手前も逆だった。その後の加速は化け物だったけど…」と声を絞り出して肩を落とした。
池江師は「外枠が当たったときは“気持ち悪いな”と思ったが、やはり試練だったね」と振り返る。今後については明言を避け、春の天皇賞(4月29日・京都)参戦も流動的。指揮官は「
凱旋門賞でも、押し出されて前に出る可能性もある。うまく矯正していかないと」と口元を引き締めた。今年最大目標の仏GI・
凱旋門賞(10月7日・ロンシャン)へ立て直しを図る構え。連敗から快進撃へと切り返した昨春と同様、敗戦を糧にして世界へ向かう。
提供:デイリースポーツ