「第145回
天皇賞・春・GI」(芝3200m)は29日、京都11Rに18頭で争われ、2番手からレースを進めた14番人気の
ビートブラックが、3角手前でスパート。直線でも脚色は衰えず、後続の追撃を振り切りGI初制覇を飾った。勝ちタイムは3分13秒8。2着には4馬身差で3番人気の
トーセンジョーダン。3着には2馬身差で2番人気の
ウインバリアシオンが入った。なお、圧倒的1番人気の4冠馬
オルフェーヴルは11着に敗れ、大波乱の結末となった。
大金星の人馬はともにGI初制覇。
石橋脩は、興奮を抑え切れずに左右で2度の
ガッツポーズ。京都での初勝利を伝統の一戦で飾って「信じられない。本当に実感がわかない。厩舎の方がしっかりと仕上げてくれてたし、馬も頑張って走ってくれた。ラッキーでした」と満面の笑みだ。「時計も速かったし、そう簡単に止まらないと思って前に行った。周りを気にしていたら、こういう競馬はできない。イチかバチか。バテたら仕方ない。謝ろうと思った」。あえて
オルフェーヴルなどの強敵を“無視”。初の春の盾参戦とは思えない大胆な手綱さばきだった。
約16年ぶりのGI制覇に、中村師も「やっと勝てたね。やっている僕もビックリ。道中はハラハラして見ていたけど、強かった。ディープ(インパクト)のレコードにコンマ4秒差。立派なもの」とたたえた。
今後は未定だが、
JRAの現役馬では2頭しかいない“マイナー血統”の
ミスキャスト産駒が、強豪馬を撃破した勢いそのままに、羽ばたいていく。
提供:デイリースポーツ