待ちに待った復活のときだ。照りつけるしゃく熱の太陽を浴びながら、
トーセンラーが栗東芝を疾走した。岩田(レースは川田)を背に、
ロードラテアート(6歳1600万下)との併せ馬。4馬身半追走し、手綱を引っ張るほどの抜群の手応えでコーナーを回る。
直線に向いても、僚馬はまだ1馬身以上前方にいた。ここからが真骨頂だ。勝負どころを心得ているかのように、直線半ばでギアを切り替えて、弾丸のような強烈な伸び脚を披露。鞍上は背中に差したステッキを抜いたが、それを放つことも手綱をしごくこともない。それでも、一瞬にして僚馬をかわして半馬身の先着。メリハリの利いた内容で5F66秒6-37秒0-11秒4をマークした。
切れ味鋭い動きに「使ってきているし、そんなに攻めても仕方がないから馬なりで。いい動きだったね」と藤原英師も納得の表情を浮かべる。前走の
七夕賞は大外からメンバー最速の上がり3F35秒5で猛追したが、鼻差で涙をのんだ。ただ、小回りの福島にも対応して斤量57キロも克服。初の小倉での一戦となるが、前走同様の爆発的な末脚を繰り出せるはずだ。
「暑いから体調に気をつけて調整してきた。何とか暑さにも耐えてくれているし、状態自体はいい。俺らにできるのは馬の調子を整えること。競馬ではジョッキーに任せるだけやからね」と指揮官。厩舎内に設置したミストなどで、細心の注意を払ってきた。手綱を託すのは仏国遠征帰りの川田。初めての南国の地で“太陽神”が輝きを取り戻す。
提供:デイリースポーツ