「第32回
ジャパンカップ・GI」(芝2400m)は25日、東京11Rに17頭で争われ、今年の牝馬3冠を達成した3番人気の
ジェンティルドンナが、1番人気
オルフェーヴルとの牡牝クラシック3冠馬同士による激しいデッドヒートを鼻差制し、史上初となる3歳牝馬による
ジャパンC制覇の偉業を成し遂げた。勝ちタイムは2分23秒1。さらに2馬身半差の3着には2番人気の
ルーラーシップが入った。
長い審議を終え、クールダウンした岩田は「直線でオルフェの馬体をプッシュしてしまった。後味の悪いレースで申し訳ない」と反省しながらも「あのオルフェに勝ったんです。馬を褒めてあげて下さい」とパートナーをたたえた。
「最後は激しかった。でも“まだ行ける”と思った。彼女は並んだら抜かせないから」と石坂師は自信に満ちた表情を浮かべ、堂々と胸を張る。5馬身差で圧勝した
オークスで“規格外”と感じ、視線は国内の頂点へと向けられた。「能力は通用する。だから思い切って挑戦したんです。きょう勝って、思った通りの馬だなと確信した」。牝馬同士の
エリザベス女王杯ではなく、さらなる高みを目指した指揮官の眼に狂いはなかった。
国内制圧を果たした今、向かう先は世界しかない。「今年はもう使わない。3冠を獲ったときからドバイ、アメリカ、フランスを考えていた」とトレーナーは来年の海外遠征を表明した。最多タイとなる
JRAGI年間6勝、そして史上初の連覇を成し遂げた岩田も思いは同じだ。「去年勝った
ブエナビスタもすごかったけど、この馬にはそれを超えてほしい。海外で勝ち負けを意識できる馬」。競馬の魅力を体現した名牝は“国内最強”の肩書きとともに世界へ飛び出していく。
提供:デイリースポーツ