白いもやに包まれた開門直後の美浦トレセン。視界は不良でも、本格化した栗毛の素質馬が存在感を失うことはない。美浦Wの直線入り口からうっすらと姿を現した
ホーカーテンペスト。はち切れんばかりの馬体をフル回転させ、霧の中を疾走した。
ケイコにまたがった杉原(レースは横山典)は「5F67〜68秒くらいの予定でした。最後はほぼ馬なりで、軽く伸ばす程度です」と追い切り内容を説明した。「道中で少し力んではいるけど、しっかり我慢が利いていた。中1週でも関係ないくらい、元気いっぱいですね。時々追い切りには乗っていますが、以前に比べて緩さがなくなってきました」と心身の成長に太鼓判を押した。
2歳時から高い評価を得ていたが、前向きな気性が出世を妨げた。「府中で勝った未勝利戦(11年11月)が強かったから、府中向きかと思っていた。でもその後のレースを見る限り、テンの速い中山が合うんだろう」と藤沢和師は分析する。速いペースを生み出す中山マイル戦が、折り合いの難しさを見事に打ち消している。近2走のVを含め、この舞台は[3001]の好相性だ。
「前走も楽な競馬だった。ハンデも55キロなら許容範囲じゃないか」と笑った指揮官。昇級、重賞でも気後れする様子はまるでなし。ドル箱コースでどとうの3連勝を決め、マイル界に新風を吹き込む。
提供:デイリースポーツ