29日早朝、99年
日本ダービー(G1)を制した
アドマイヤベガ(牡8、
父サンデーサイレンス)が急死した。解剖の結果、死因は偶発性胃破裂であった。
同馬は4回目のシーズンとなった今春も順調に172頭の繁殖牝馬に種付けを行ったが、28日夕方頃からせん痛の症状を訴え、苫小牧市の社台ホースクリニックに緊急入院。しかし、すでに手の施しようがなく、翌29日午前5時頃、関係者に見守られるように息を引き取った。初年度産駒から
ストーミーカフェ(牡2、美浦・小島太厩舎)が
札幌2歳S(G3)を勝つなど幸先良いスタートを切っていただけに、繋養していた社台スタリオン
ステーションではガックリと肩を落としている。
アドマイヤベガは、
父サンデーサイレンス、母が93年
桜花賞、
オークス(共にG1)を制した
ベガ(
その父トニービン)という血統。半弟には今年の
フェブラリーS(G1)など、G1・6勝の
アドマイヤドン(牡5、栗東・松田博資厩舎、
父ティンバーカントリー)、全弟には00年
セントライト記念(G2)を制した
アドマイヤボス(牡7)がいて、叔父には01年
京都記念(G2)を制した
マックロウ(牡7、
父トニービン)がいる。
98年11月のデビュー戦(京都・芝1600m)では1位入線するも、直線で斜行し4着に降着。3戦目のラジオたんぱ賞3歳S(G3)で重賞初制覇。
皐月賞(G1)では1番人気に支持されたが
テイエムオペラオーの6着に敗れ、2番人気で迎えた
日本ダービーでは、後方2番手追走から差し切りG1初制覇を飾った。
菊花賞(G1)で6着に敗れたのを最後に引退、種牡馬入りした。通算成績は8戦4勝(重賞3勝)。
初年度産駒となる今年の2歳世代は好調で、
札幌2歳S(G3)を制した
ストーミーカフェを筆頭に、
ききょうS(OP)を制した
レキシントンブルー(牡2、栗東・瀬戸口勉厩舎)、
りんどう賞(500万)を制した
モンローブロンド(牝2、栗東・安田隆行厩舎)など、10/29現在で7頭が勝ち上がり、計10勝を挙げている。新種牡馬では
フレンチデピュティ(12勝)に続く勝ち星を挙げており、将来が期待されている矢先での死亡となった。産駒はわずか4世代となる。