先週から、雨の降らない天気が続いたため、安定した状態だった栗東のウッドチップ馬場。しかし、2日から雨が降り出し、その深夜には大きな音を立てて、屋根を叩きつけるほどの雨粒が落ちた。
3日の調教開始時には雨は止んでいたものの、馬場は大量の水分を含んだ状態。ダートコースには水が浮いており、大きく雨の影響を受ける馬場状態となってしまった。ただ、4日に関しては、朝から日差しが降り注ぐような好天に恵まれたため、少し馬場状態は回復している。
【坂路/4F51.9秒】
3日の一番時計は
ストークアンドレイ(栗東・山内研二厩舎)の4F51.9秒。この追い切りのラスト1Fは12.9秒だったが、重い馬場でも全く苦にすることなく駆け上がってきたという印象。なお、二番時計は
ティズトレメンダス(栗東・佐山優厩舎)ら3頭がマークした4F52.5秒。普段から速い時計を出す馬たちが、この数字ということは、馬場は本当に重かったと判断してよいだろう。
冒頭でも触れたが、4日は少し馬場状態が回復。
ナシュワンヒーロー(栗東・藤岡範士厩舎)が4F51.2秒で一番時計をマークしており、4F54秒を切る馬もかなり多かった。そんな馬場で4F53.1秒をマークしたのが、
アロマティコ(栗東・
佐々木晶三厩舎)。
福島牝馬S(4月20日・福島芝1800m)へ向けての2週前追い切りとなったが、今回からコンビを組む、
福永祐一騎手が騎乗。2回目のハロー明けを単走で追い切られたが、600mの標識手前あたりで、少し引っ掛かるような仕草になり、そこから2Fが12.4〜12.7秒と速いラップに。その分、終いが止まって、1F14.7秒となってしまったが、これは初めて騎乗したことによる影響かも知れない。次走以降の追い切りにもジョッキーが騎乗することになりそうなので、その動きをしっかりと見守りたい。
なお馬場差は先週の「+0.5秒」から大幅に悪化。特に雨の影響を受けた3日は『+1.8秒』、馬場が回復した4日は『+1.0秒』で観測している。
【CW/5F66.5秒】
時計が遅くなっている坂路馬場に対して、さほど影響なかったのが、Cコース。3日、4日とも追い切られた馬のクラスに関係なく、速い時計を出している馬はいるので、ほとんど雨の影響はなかったのかも知れない。
3日に
皐月賞の1週前追い切りを行った
レッドルーラー(栗東・松田博資厩舎)は7Fから時計になったが、終いまで渋太い伸びを見せて、6F79.2〜5F65.4〜4F52.3〜3F39.9〜1F13.1秒と速い時計をマーク。重い馬場ではないといっても、テンからこれだけ速いラップなら、終い止まってもおかしくないところを、この時計で我慢しているということは、今の状態が良い証拠だろう。
馬場差だが、先週と比較して、大きく変動した様子がないため、3日、4日とも『-0.9秒』で観測した。
【DP/5F64.5秒】
坂路馬場が時計の掛かる状態だったこともあり、通常時の倍ほどの追い切り頭数になったDコースのポリトラック馬場。5F時計で速い数字をマークしたのが、3歳未出走が多かったので、やはり時計の出やすい軽い馬場であることは間違いない。
時計は遅かったものの、動きが目立ったのは、先週の当欄でも取り上げた
ダノンスパシーバ(栗東・
佐々木晶三厩舎)。今週は藤岡康太騎手が跨っての追い切りだったが、鞍上が促すと、それに反応する形での伸び。終いは11.5秒だったが、数字以上に鋭い伸びに見えただけに、今週のレースが楽しみになってきた。
馬場差は3日、4日ともに先週と同じ『-1.0秒』で観測している。
※調教馬場横の数字は基準時計。この数字以下の時計であれば、標準より速い時計と判断してよい。(取材・写真:井内利彰)