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天皇賞ヴェルデグリーン相沢郁調教師インタビュー/美浦トレセンニュース

  • 2013年10月22日(火) 12時00分
素質馬がようやく本格化してきた。相沢郁厩舎ヴェルデグリーン(牡5)だ。厩舎開業2年目に、オークス(1999年)でGI勝利をもたらしてくれたウメノファイバーの孫にあたる同馬。厩舎ゆかりの血統のヴェルデグリーンに寄せる思いや、天皇賞・秋に向けての意気込みを、相沢郁調教師に聞いた。

1週前追い切りは、台風一過の10月17日(木)に、南ウッドチップコースで行われた。

「ビシッとやりたかったので、前に馬を置いて後ろから追いかけました。遅れたけれど、併せたマイネルミラノが動く馬だし、逆にヴェルデグリーンはウッドチップでは動かないから、別に心配ないですよ」と、追い切りでの遅れは気にしなくてようようだ。

「当歳でこの馬を見た時に、ウメノファイバーの血を引く馬で、やっとすごい馬が生まれたと思いました。ずっと期待していたのですが、体が弱かったんですよ」

期待通り、2歳の暮れに新馬勝ちを収めたものの、その後、東日本大震災の影響で順調さを欠くことになる。

「3.11が起こった週に、500万を使う予定でいました。そこを勝ってクラシックへという青写真を描いていたんです」

しかし、震災の影響で関東圏での競馬が開催されず、翌週に阪神競馬場に遠征して若葉S(OP・芝2000m・13着)に出走した。

「弱いところもあったでしょうし、余震などのストレスもあったのでしょうね。向こうに持っていったら、18キロも馬体重が減ってしまって。そこからすっかりリズムが崩れてしまいました」

クラシックへの夢は断たれ、その後は蹄にも悩まされた。

「追い切りやレースで、後ろ脚で前脚をぶつけてしまって蹄を痛めてしまうんですよ。蹄が痛いと、どうしても他をかばうようになりますから、鉄橋も履かせてみたのですが、重いし、バランスに微妙な問題があって、レースでは外すことにしたんです」

それが今年1月の500万下でのレース(1着)で、田辺裕信騎手に手替わりしたタイミングと重なった。そのレースを含めて、ヴェルデグリーンは500万、調布特別(1000万)、常総S(1600万)と3連勝する。

「3連勝は、なかなかできるものではないですからね。その後の新潟大賞典(GIII・芝2000m・10着)は、蹄の状態が今ひとつでしたから、参考外のレースですよ」

休養を挟んで秋初戦となったオールカマー(GII・芝2200m)では、後方を追走し、直線では大外から一気の末脚で他をねじ伏せる強い勝ち方を見せた。

「レース後は蹄が心配でしたが、ここまで至って順調に来ています。鉄屋さんも試行錯誤で工夫してくれて、鉄を替えたことも良かったのでしょう。オールカマーの内容は良かったですし、天皇賞は本当に楽しみです」

力強い末脚とは裏腹に、普段のヴェルデグリーンは「大人しいけれど、女の子のように神経質」なのだそうだ。けれども「あの脚は、ウメノファイバー譲り」と、相沢師もヴェルデグリーンの決め手に太鼓判を押す。本格化した今なら、祖母・ウメノファイバー譲りの末脚で、ビッグタイトルを手にするのも夢ではなさそうだ。(取材・写真:佐々木祥恵)

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