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クールハートが死亡、小柄な馬体で重賞2勝の活躍

  • 2014年08月11日(月) 12時01分
 1986年の新潟3歳S(GIII)、1987年の関屋記念(GIII)の優勝馬・クールハート(牝)が、8月4日夜、青森県十和田市の宮崎牧場で息を引き取った。30歳だった。

 クールハートは、1984年3月24日に栃木県のハイランド牧場に生を受け、美浦・奥平真治厩舎の管理馬として、1986年7月20日に新潟競馬場でデビュー。以後、370〜400キロ台の小柄な体で、3歳時(旧馬齢表記)から重賞戦線において活躍を続ける同馬の姿は、多くのファンの心を掴んだ。

 引退後は生まれ故郷・栃木県のハイランド牧場で繁殖牝馬となったが、その後、青森県十和田市の宮崎牧場に移動。2007年に牝馬の出産を最後に繁殖を引退し、同年12月から引退名馬として、引き続き宮崎牧場で余生を送っていた。

 時々疝痛になる以外は、至って健康に過ごしてきた同馬に異変が起きたのは8月4日の夜だった。

「腹痛でした。それまでもたまに腹痛はありましたが、薬を飲ませてやれば治っていましたから、今回も良くなるかなと思ったのですけど…。本当に可哀想でした」と同牧場の宮崎洋子さんは言葉を詰まらせた。

「本当に悔しいです。ウチには以前、結構走る子を出したオーブメントという牝馬がいたんですけど、33歳まで生きてくれました。だからクールハートも、そのくらいは生きてくれるだろうと思っていました。今年の春までは若い馬と一緒に放牧していたんですよ。気持ちが若くてね、若いのが走っていくとそれと一緒に走ってしまうんです。でも後ろ脚をひねって歩くようになりましたし、若い馬たちが走っていくと、それを追いかけて走ってしまうので、6月からは1頭で放牧していました。ちょっと前までは走り回るくらい元気だったのですけどね」

 30歳になっても放牧地をハツラツと走り回るクールハートの栗毛の馬体を想像した時に、小さな体を一杯に使って牡馬相手に互角に渡り合っていた現役時代が重なってくる。

「可愛くてね。よく顔を撫でてやりました。私がよく青草を刈ってやっていましたけど、柔らかいところを選んであげたり、他の馬より余計に人参食べさせたりしてね。悔しいですね。思い出すと涙が出てくるんですけど、泣いてばかりいても仕方ないですしね。でも寂しいですね」

 晩年まで放牧地を元気に走り回り、宮崎牧場の人々に愛されたクールハートは、彼女らしく馬生を生き抜いたのではないか…洋子さんの優しい声を聞きながら、そう感じたのだった。

(取材:佐々木祥恵)

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