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ブルーショットガンが誘導馬引退、阪神競馬場で最後のお披露目

  • 2014年10月07日(火) 12時01分
 2006年の阪急杯(GIII)に優勝し、阪神競馬場で誘導馬として活躍していたブルーショットガン(セン15)が、10月5日(日)を最後に誘導馬を引退した。同日、最終レース終了後のパドックでは、集まったファンを前にブルーショットガンから皆様へのお別れのご挨拶をするイベントが行われた。

 ブルーショットガンが栗東・武宏平厩舎から競走馬としてデビューしたのが2001年7月で、最後のレースが2009年1月17日、明け10歳で出走した淀短距離Sと、競走馬生活はおよそ7年半と長きに渡った。

 現役引退後はJRA競馬学校を経由して、阪急杯優勝の思い出の地・阪神競馬場に移動して、2010年に誘導馬としてデビューしている。東京競馬場で誘導馬となったサクセスブロッケンのFacebook(現在はJRA東京競馬場のFacebookに移行)にたびたび登場しては、誘導馬の先輩としてアドバイスを送り、ファンの間で『ブルショのおっちゃん』と慕われて、阪神競馬場の人気者でもあった。

ブルーショットガン、おつかれさま」ほか、多くのファンがメッセージを書きこんだ赤い馬着をまとったショットガンは、現役時代に担当の持ち乗り調教助手だった三上賢さんとともにパドックを周回。パドックの大型ビジョンには、ショットガンが優勝した過去のレース映像が流され、その前で三上助手が「懐かしさもありますけど、年を取ったなとも思いました。普段は手のかからないお馬さんだったのですが、レースに行くといつも100点満点。一生懸命走って、“真面目”に尽きますね。阪急杯の時は具合は良かったのですが、幹夫さん(現・松永幹夫調教師)が騎手を引退の日に、僕の担当する馬に騎乗するというだけでお腹いっぱいだったので、まさか勝てるとは思っていませんでした」と競走馬時代のショットガンのエピソードを披露。

 三上助手の話を引き継ぐ形で「騎手引退の日に華を添えてくれた忘れられない1頭です。阪神に行った時には、よく鼻面を触りに行っていました。阪神で会えると思っていたので、会えなくなるのは寂しいですが、今まで本当にお疲れ様でした。そして本当にありがとう」という、松永幹夫調教師から寄せられたコメントが、ラジオNIKKEIの檜川彰人アナによって読み上げられた。

 その後、68戦のうち12回レースで騎乗した藤岡佑介騎手ショットガンに跨って、三上助手に引かれたショットガンは再びパドックを周回。カメラを手に集まったファンの前で幾度となく立ち止っては、お別れの挨拶をしていた。競走馬時代の記憶が甦ってきたのだろうか。「藤岡騎手が跨ったら、やっぱり違ったなあ」と三上賢助手はつぶやいた。

 阪神競馬場で同馬を担当する坪内瑞恵さんは「寂しがり屋で、人にかまってほしい甘えん坊です。普段はブーちゃんと呼んでいました(笑)。そんな甘えん坊のブーちゃんですが、誘導馬としては、大歓声が起こるGIの独特な雰囲気にも動じず、堂々としていて安心できました。朝のお出迎えの時も30分間じっと立っていましたし、お客様が触っても大丈夫でした。本当に賢かったですね。

ただ夏がとても苦手で、暑い時は専用の扇風機を回していました。現役時代に担当されていた三上さんからも、夏はずっと北海道に遠征していたと聞きましたし、阪神競馬場での夏は大変だったと思います。秋田ならこちらよりも涼しいでしょうし、元気なうちに大切にしていただける場所に移動できるのは良かったと思います。新天地に行っても皆に可愛がられて、体調に気をつけて過ごしてほしいです」と、相棒との別れを惜しんだ。

 また阪神競馬場・お客様事業課の岩藤円さんは「ブルーショットガンという馬の存在とファンの皆様の声によって、このようなお別れ会が企画できました。元気なうちに新しい場所に行って活躍できるのは彼にとって幸せなことだと思いますし、新天地でも頑張ってほしいという思いを込めて、ファンの皆様と一緒に送り出すことができてとても嬉しいです。

誘導馬に引退はあるのですか? とよく質問されるのですが、誘導のお仕事は我慢が必要です。ショットガンは大人しくてお利口さんなのですけど、彼は競走馬として本当に一生懸命走ってきましたし、そのようなサラブレッドを我慢させるかというのは、馬にとっても人にとってもきつい部分もあるんですよね。GIの宝塚記念桜花賞で先頭誘導できるのは彼の素質と頑張りだったのかなとも思いますし、本当にお疲れ様でしたという気持ちです」と、これまでの誘導馬生活をねぎらった。

 坪内さんを背にパドックを去っていくショットガンを見送りながら、三上助手は秋田の地へと旅立っていくかつての愛馬への思いを噛みしめるように話をしてくれた。

「自分の担当馬を出走させた時に、ショットさんに誘導してもらったのは3回くらいですかね。あとは待機場所に張られている時に写メを撮ったりと、ちょくちょく会ってはいました。今日は久し振りに引いてみましたけど、昔もこんな感じでした。体はおじいやけど(笑)、顔や表情は変わらないですね。ショットさんで重賞を勝てて、トレセンの中でも『ショットガンの三上さん』と呼ばれるようになり、箔が付いたかなとも思いましたし、感謝の気持ちで一杯です。GIIIを1つ勝っただけなのに、このようなイベントをしてもらえて、さらに僕も呼んでいただけたのも嬉しかったですね。

ブルーショットガンという馬は、これからの僕の馬人生の中でも一生教科書だと思っています。現在は中内田充正厩舎で助手をしていますが、ショットさんに失礼のないように、そしてショットさんを超える馬を育てることが僕の使命と思って頑張ります」

 10月8日(水)、ブルーショットガンは慣れ親しんだ阪神競馬場から、秋田県のあきた乗馬クラブに向けて出発する。愛らしい白い鼻先とクリクリした瞳、そして穏やかで賢い彼は、新天地でも愛され続けることだろう。

(取材・写真:佐々木祥恵)

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