天皇賞・春(GI・芝3200m)に美浦から出走する各馬について、今日(4/29)の追い切り後に各調教師に取材した。
昨年僅差の3着だった
ホッコーブレーヴ(牡7・美浦・
松永康利)は、ポリトラックコースで
丸田恭介騎手(レースでは
幸英明騎手)を背に追い切った。松永調教師のコメント。
「いつも追い切りに乗っている
原田和真騎手が怪我で休んでいますので、今日は以前乗ったことのある丸田騎手に騎乗してもらいました。この馬に乗った経験のある騎手の方が、以前との比較もできますしね。先週の時点で使った上積みがあると感じましたし、今日はさほど強い追い切りは必要ないと思っていましたので、全体時計が67秒くらいで、最後は促しながら少し速くなってもかまわないとジョッキーには伝えましたが、予定通りに行きました。
昨年は負けて強しという競馬でしたが、その時と同じくらいの状態で向かえそうです。コース適性も昨年で実証されていますしね。7歳ですから大きな上積みはありませんが、精神的にも成長してきました。今回乗り替わりになる幸騎手が先週の追い切りに乗りましたが、自由に動けると感じていたようですし、これまでのレースも見てくれていますので、あとは騎手に任せます。脚をためる競馬をしてもらえればと思います」
前走の
日経賞(GII)では10着と大敗を喫した
クリールカイザー(牡6・美浦・
相沢郁)は、
田辺裕信騎手が騎乗してウッドチップコースで追い切りを行った。相沢調教師のコメント。
「前走の敗因は良くわからないのですが、少し体が立派だったのが原因だったのかもしれません。中間、ビシビシ稽古をやってきましたし、先週もある程度やりましたので、今日は田辺騎手に乗ってもらって感触を掴んでもらう程度の追い切りでした。田辺騎手に聞いたら『勝負します』と言っていました。前走時より体が絞れてきましたので、前走の敗因がそこにあるとすれば、良い状態になっていると思います。
距離はこなせると思いますが、この馬は切れる脚を使うタイプではないので、どのようなレースをするかですね。あとは田辺騎手に任せます。ゴールデンウィークなので、輸送をうまくクリアしてくれれば良いですね。気性的にアテにならない面がありますが、何かやってくれそうな雰囲気も持っていますよ。GIレースで相手は強いですけど、天皇賞は調教師として1度は勝ちたいレースですし、頑張ってほしいです」
ネオブラックダイヤ(牡7・美浦・
鹿戸雄一)について、鹿戸調教師のコメント。
「ここまで順調に来ていて、今日も予定通りの追い切りでした。スイスイ逃げるのが理想ですが、位置取りはあまり考えず、馬の気持ちを損ねないように乗ってもらえればと思います。GIなので相手も強いですけど、気分良く走ることができれば頑張れる馬ですので、あとは気持ち次第ですね」
トーセンアルニカ(牝5・美浦・
木村哲也)について、木村調教師のコメント。
「前走の
日経賞(9着)はうまくスタートをしてくれましたが、前半の位置取りが中途半端になり終始外々を回る感じになってしまいました。ただ体自体に傷みはありませんでしたので、レース後はそのまま厩舎で調整をしてきました。今日はウッドチップコースで追い切りました。年齢を重ねてズルいところも出てきましたので、若い馬を後ろから来させて気を抜かせないようにしっかりと走らせましたが、自分のリズムで走れていたと思います。
春の天皇賞はタフなレースでスタミナ勝負になりますし、瞬発力勝負にどれだけ対応できるかですが、健康状態は良いので対応してくれればと思います。池添騎手もこの馬に乗ったことがありますので、癖をわかってくれています。能力の高さもわかってくれていますので、信頼して任せます」(取材・写真:佐々木祥恵)