NHKマイルCを優勝した
クラリティスカイはちょうど日が替わる午前0時ごろ、栗東トレセンに帰厩した。「その晩につけたカイバは、朝、来たときにはしっかり完食していました。しっかり食べれるというのは元気がいい証拠」と担当の吉田厩務員は笑顔で答えた。
入厩時から精神的にひじょうにゆったりしており、普段はとても大人しい。
「オンとオフがとてもはっきりしている馬ですね。運動でも“もうちょっと歩いてくれよ”というくらいゆったりしています」
そういった気性もあり、過去のレースでは同年代の馬たちと比べて落ち着きがあった。ところが、今回のNHKマイルでは若干違う面を見せた。
「GIのあの雰囲気に刺激されたのでしょうか。パドックでもとてもヤル気をみせていました。レースもハミかかって行くタイプの馬ではなかったのですが、今回は違いましたね」
吉田厩務員は戦前、ゲートについていくつもりでいたが、横山典騎手の提案であえてしなかったという。
「横山典騎手に相談されたんですけど。勝ったとき(いちょうS)についていかなかったんで横山典騎手が『もう、今日はいいよ』と。ゲンをかつぐ意味でもやめておこうか、ということになったんです」
ゲートについていかなかった分、しっかりと生でレースを観戦できた。
「いい脚でしたね。でも、勝利はゴールするまで確信できませんでした」
まだまだ成長の伸びしろは残るという。
「まだ心身ともにこうなって欲しいという部分が残っています。これからさらにどんな馬になってくれるのか、とても楽しみです」
(取材・文:花岡貴子)