GIの無念をGIで晴らした。「第10回
ヴィクトリアマイル・GI」(芝1600m)は17日、東京11Rに18頭で争われ、5番人気の
ストレイトガール(栗東・藤原英)が1分31秒9のタイムで悲願のGI初制覇を飾った。大外枠の18番人気
ミナレット(3着)がハナを奪い切って、12番人気
ケイアイエレガント(2着)が2番手に続く形。直線半ばでは2頭が後続を引き離したが、1頭だけ違う脚色で伸びてゴール寸前でかわした。
ケイアイエレガントが頭差で続き、さらに1馬身3/4差で
ミナレットがゴール。今春の古馬マイル女王決定戦は
JRA史上2位、GIでは最高配当となる3連単2070万5810円の超大波乱となった。なお、1番人気の
ヌーヴォレコルトは直線で伸びを欠いて6着に敗れた。
戸崎圭は落ち着いて5番手の内でパートナーと流れに乗った。1番人気の
ヌーヴォレコルトは中団待機策。最低人気馬
ミナレットがスイスイと逃げ、それを追う
ケイアイエレガントも12番人気の伏兵。騎手としては最も仕掛けどころの難しい展開だった。「人気馬が後ろにいたのでどこで仕掛けようかと考えていましたが、余裕はありました。前の馬はしぶとかったけど、馬の力が助けてくれた」と殊勲の鞍上は満面の笑みで満足感を漂わせた。
レース前、藤原英師は東京競馬場の芝の状態を入念に分析。「内に入らずに、5番ゲートをそのまま生かす競馬をさせようと。ジョッキーとも意見が一致しました」と作戦勝ちだったことを明かす。GIでこれまで(3)(3)(2)(3)(13)着、前走の
高松宮記念では1番人気に推されながら惨敗。6歳という年齢面から、限界という二文字も頭をかすめるなかで、手にした勲章だった。「待ちに待って、待ち焦がれました。長かった」と喜びもひとしおだ。
「今年が最後だと思っているし、香港からも声が掛かっているのでもう一度挑戦したい」。トレーナーは昨年3着に敗れた12月の
香港スプリントでリベンジを果たして有終を飾ることを目標に掲げた。来春の嫁入り前に、まだやり遂げるべき大仕事が待っている。
提供:デイリースポーツ