今年も波乱の結末に。「第20回
マーメイドS・GIII」(芝2000m)は14日、阪神11Rに16頭で争われ、8番人気の
シャトーブランシュ(栗東・高橋忠)が重賞初制覇を決めた。道中は後方2番手で末脚を温存。直線で満を持して馬場の外めに持ち出されると、目を見張るような伸び脚で内の各馬を一蹴。これまでの詰めの甘さを払拭する勝ちっぷりで、待望のタイトルを手に入れた。勝ちタイムは2分0秒5。1番人気の
マリアライトは3コーナーから外を追い上げる強気の競馬。最後は押し切るかに見えたが、勝ち馬の強襲に遭い3/4馬身差の2着。さらに頭差の3着には10番人気のパ
ワースポットが入り、3連単は15万1990円。ハンデ戦となった06年以降、3連単10万円超えは7度目となった。
「手応えが良かったし、あとはどれだけ伸びてくれるかと思っていた。期待通りの脚でした」と藤岡康は満足げに振り返る。この勝利で、7年連続の
JRA重賞制覇を達成。昨年の覇者
ディアデラマドレを思わせる鋭い末脚で、自身の“連覇”も決めた。「いい馬に乗せてもらっていますしね。追い切りに乗って具合の良さも感じていました。厩舎の方がしっかりと仕上げてくれていましたね」と感謝を口にする。
管理する高橋忠師は11年の開業以来、ダートと障害で
JRA重賞を5勝しているが、芝の平地重賞制覇は初めて。
シャトーブランシュは清水出厩舎の解散に伴う転厩馬。脚元を十分にケアしながら、2走前以降、心肺機能を強化するため栗東坂路中心の調整を同CW主体に切り替えた。「牝馬は状態がいいだけでは勝てない。スタッフもこういう馬に携われて、またひとつ上に行ける」と感慨深げだ。
今後は馬の様子を見て
クイーンS(8月2日・札幌、芝1800m)に向かうか、秋まで休養するかを見極める。格上挑戦でつかんだタイトルを胸にさらなる飛躍を狙う。
提供:デイリースポーツ