▲ 武豊騎手を鞍上に迎えた2戦目のエリカ賞もアッサリ突破(2003年12月13日)
第2章 ディープインパクトと並び立ち、迎合する系統も豊富なミスプロ系種牡馬
父のキングマンボは、世界を席巻したミスタープロプロスペクターの優良後継種牡馬。日本では同馬の他にエルコンドルパサー、アメリカではレモンドロップキッド、イギリスではキングズベストなど、国や馬場を問わずに活躍馬を輩出し続けてきた。母のマンファスも、初年度産駒のザデピュティがサンタアニタダービーを優勝したという名牝である。
キングカメハメハは、NHKマイルCとダービーでみせた圧倒的なパフォーマンスに加えて、ヘイローの血をまったく持たず、サンデーサイレンス系牝馬に種付けしやすいという利点もあって、当時の最高金額の21億円でシンジケートが組まれる人気種牡馬になった。2010年には、年間種付頭数266頭の日本記録も樹立している。
その後の活躍はご存知の通り。2010年代の日本競馬は、ディープインパクトとキングカメハメハが両輪になって牽引したといっても過言ではない。すでに複数の後継種牡馬も誕生している。そのなかでもロードカナロアは、初年度産駒から牝馬3冠のアーモンドアイと、マイルCS優勝のステルヴィオを輩出。2年目の産駒からもホープフルSを勝ったサートゥルナーリアが出て、次代の日本競馬を支える人気種牡馬として期待されている。
キングカメハメハの王道配合は、「キングカメハメハ×母父サンデーサイレンス系」。2018年末までにあげた平地重賞106勝中、約半分の49勝がこの配合であげたものだ。初期の代表産駒ローズキングダム、皐月賞とダービーを制したドゥラメンテ、古馬になって快進撃をみせたラブリーデイ、ジャパンCダートを勝ったベルシャザールなどがこの配合。2〜3歳GIだけでなく、古馬になってからの活躍やダートでの活躍など、幅広いフィールドで名馬を出している。
しかも、サンデー系牝馬の専用種牡馬というわけではない。どんな母父であってもコンスタントに活躍馬を出すのが、この種牡馬のすごいところ。母父ノーザンダンサー系との配合からはアパパネやロードカナロアが出ているし、母父トニービンからはルーラーシップ、母父タマモクロス、ナスルーラ系牝馬との相性も悪くない。
唯一の例外は、母父ミスタープロスペクター系との配合。18年末までに約100頭がデビューしているが、重賞を勝ったのは18年フィリーズレビューのリバティハイツだけ。また母父ミスタープロスペクター系との配合、いわゆるミスタープロスペクターのクロスがある産駒はダート馬に出ることが多く、芝のレースでの活躍例も少ない。
▲ キングカメハメハの5代血統表