阪神カップ(GII)は、2006年に創設されたグレード競走。芝1400mを舞台に、スプリンターとマイラーが相まみえる。2021年より優勝馬には、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場で来年2月に開催される「1351ターフスプリント」への優先出走権が与えられる。
2019年には桜花賞馬のグランアレグリアが、馬の間を縫うように抜け出して圧勝。休み明けや古馬との初対戦をものともせずに、涼しい顔して1分19秒4のレースレコードを叩き出した。クリストフ・ルメール騎手は目を丸くして言った。
「今日は彼女の反応にビックリ。ゴーカートみたいでした」
グランアレグリアはその後、2020年に安田記念(GI)、スプリンターズステークス(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)を制覇。2021年にはヴィクトリアマイル(GI)を圧勝、マイルチャンピオンシップ(GI)を連覇。有終の美を飾って引退、繁殖入りした。
2019年阪神カップ(GII)優勝馬 グランアレグリア(写真提供:JRA)
2020年の阪神カップ優勝馬・ダノンファンタジーは、グランアレグリアと同い年。デビュー戦では奇しくもグランアレグリアの2着だった。ダノンファンタジーは阪神カップ(GII)や阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を含めて、阪神コースで重賞を5勝している生粋の“阪神巧者”。今年10月には、阪神カップと同じ阪神1400mで行われたスワンステークス(GII)を快勝した。連覇に向けて視界よし。
2020年阪神カップ(GII)優勝馬 ダノンファンタジー(写真提供:JRA)
筆者は「阪神カップ(GII)を当てて、翌日の有馬記念(GI)の軍資金を増やしたい!」と、レース前は毎年考えている。結果は……聞かないでください☆ 今年こそ!
筆者プロフィール:井上オークス
大学在学中にエッセイコンテストに応募したことをきっかけにライターとしてデビュー。
現在は新聞、雑誌等での執筆活動を中心に多方面で活躍中。
趣味は競馬で全国各地を飛びまわる「旅打ち」。