サウジアラビアロイヤルカップを制したコマンドライン(写真提供:JRA)
サークルオブライフで阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を制した国枝栄厩舎がホープフルステークス(GI)に送り出すのが、デビューから2戦2勝でサウジアラビアロイヤルカップを制したコマンドライン。今でこそ大物感に溢れている彼もデビュー前の評価は…『新馬戦の追い切り後、ルメール騎手に“フツー”と言われて…、ガッカリしてしまいました(笑)』。
振り返ってくださったのは、アーモンドアイなど数多くの名馬を手掛けてきた椎本英男調教助手。
2020年 ホープフルステークス(GI)(写真提供:JRA)
新馬戦は快勝。ただ追ってからの反応に切れ味勝負への課題を残した。ルメール騎手の頭の中にもその事があったのか、サウジアラビアロイヤルカップでは超スローの流れを途中で動き2番手に抑える選択をした。まだ2歳、途中のペースアップでかかる可能性もある中、コマンドラインはしっかりと鞍上の指示に従ってみせた。『コントロールが効くし、素直で乗りやすいですよね。“乗りやすさ”もひとつ能力ですし、この馬の武器だと思います』。
普段の馬房の中でもおっとり。脚元も丈夫。『順調すぎて怖いくらいですね』。ここまで、至ってスムーズに成長曲線を描けている。
『現状はパワータイプで長くいい脚を使うタイプですね。ゆくゆくは2400mくらいが向いてくる馬かなと思います』。となれば、見据える夢はただ一つ。『国枝先生にダービーを獲ってもらいたいですね。(定年まで)あと4年ですから…』。
厩舎一丸で見つめる悲願の日本ダービー(GI)制覇へ向けて、青鹿毛の巨漢が“最初のタイトル奪取”へ躍動する。
筆者プロフィール: 小堺翔太
タイムリーオフィス所属。タレント、フリーアナウンサー。中央競馬全レース中継キャスターをはじめ、中央・地方問わずグリーンチャンネルの競馬番組に多数出演。