毎週欠かさず馬場に関する情報を収集し、自身の予想に反映させるというスポーツニッポンの“万哲”こと小田哲也記者が、“予想に役立つ馬場情報”をコンセプトに、重賞が開催されるコースについて、当週の降水量・前日のレース結果等を踏まえた主観的意見から、よりライブな馬場状態を解説する。
2月12日に開催が始まった阪神競馬場の芝は、Aコース使用で5週目に入った。京都競馬のスタンドの改築工事に伴い、フィリーズレビューが開催5週目で行われるのは昨年と同じ。JRA公式ホームページによると「向正面直線から外回り3コーナーから4コーナー、正面直線にかけてコース内側に部分的な傷みがあります」とのことだが、レース自体に影響している印象はなかった。
JRAが土曜午前7時30分に測定した芝のクッション値は「10.1」(やや硬め)。先週日曜に0.5mmの降雨を記録して以降、ずっと晴天に恵まれている影響か、芝は多少硬めになっているのだろう。先週もかなり速い時計が出ていたが、土曜12日も引き続き速い時計が出ていた。
土曜は、芝競走は4鞍(障害レースは除く)。勝ち馬の最終4コーナーの位置は「4番手、2番手、7番手、8番手」だった。
6R・3歳1勝クラス(外回り1600m)は逃げたヒルノショパン、2番手追走の2番人気トゥードジボンの完全なマッチレース。直線半ばではトゥードジボンが完全に抜け出していたが、内ラチ沿いのギリギリで粘ったヒルノショパンも最後は盛り返す勢いでクビ差の接戦だった。レース前半3F35秒3〜同後半34秒8。極端なスローではなかったが、内で粘ったヒルノのコース取りを見ると、多少傷み出したラチ沿いでも十分に粘りは利く。
10R・飛鳥S(外回り1800m)は中団を追走した1番人気ヤマニンサンパが馬群をさばいて突き抜けた。騎乗した川田騎手は外には出さず、直線も内から3頭目のスペースを縫って、抜け出すコース取りは目を引いた、このレースを見ても、直線で中〜外に出すより、距離ロスなく立ち回った方が得策ということだろう。このレースのヤマニンサンパの上がり3Fは33秒8。外回りのレースで淡々とした流れになると、瞬発力は不可欠。勝ち時計1分45秒8は自己新で時計出やすいことを立証している。
日曜メインレースのフィリーズレビューは参考レースに取り上げた前述2競走とは異なり、内回り使用の1400m戦。直結するかとなると微妙ながら、最後の直線は差すにしても馬群を縫う器用さや勝負根性は必要かもしれない。フィリーズレビューの過去5年の優勝馬の最終4コーナーの位置は「14番手、7番手、10番手、10番手、7番手」となぜか圧倒的に差し馬優勢。
直近5年で実に4回はレース前半3F33秒台の極端な前傾ラップになっていることも影響している。果たして、今年はどんなペースになるのか。1200m組でもスピード型が案外少ない今年は、個人的にはMペース想定。近年とは違って、好位〜中団で器用に立ち回れる馬が優位になるのでは?