▲武英智師と松本康宏場長との対談後編では夢のプランが…?(撮影:稲葉訓也)
可愛い顔とは対照的に、レースでは豊富なスピードを見せ、時に制御が困難になるほどあり余るポテンシャルを有するメイケイエール。個性的な馬にファンも多く、秋はGI初制覇の期待が寄せられます。
そんなメイケイエールは、栗東トレセンからほど近いノーザンファームしがらきで夏休みを過ごしました。その期間中に、netkeibaが潜入取材を敢行(取材日は7/15)。
今回は武英智調教師とノーザンファームしがらきの松本康宏場長による対談の後編。久しぶりの1400mとなった前走・京王杯スプリングCの「ココがすごい!」というポイント、さらにはこの秋の夢プランが登場します。
(取材・構成=大恵陽子)
強気なことを言っていいなら……1200mなら負ける気がしない!
──コラム第1弾でメイケイエールの近況を写真と動画でお伝えしたところ、その可愛い姿に多くの反響がありました。
武英調教師 しがらきで見ると、トレセンにいる時と目つきが本当に違います。なんかね、トレセンでは「私のテリトリーに入って来るな」みたいな雰囲気なんですよ。
松本場長 ここではペットみたいやね。頭絡を付け替えたりしても「なんですかー?」みたいな感じで。
武英調教師 とろ〜んとして。
松本場長 しかも、あれは調教前ですからね。普通の馬って、調教前はちょっとうるさいんですよね。だって、これから調教されるのを分かっているし、ここでの調教でも嫌なものはやっぱり嫌なので。
▲とろ〜んとしたメイケイエール(撮影:稲葉訓也)
──新たな一面を知ることができました。さて、改めて春の戦いを振り返っていただけますか?
松本場長 もう「強い!」のひと言ですよね。春は状態もすごく良かったです。僕らの感触と、競馬でのパフォーマンスや結果は基本的にリンクするので、逆にこれで走らなかったらどうしよう、と思っていたほどです。
武英調教師 ホント、場長がおっしゃるように状態もすごく良かったです。
松本場長 高松宮記念は枠や馬場傾向があって、本来であればもっともっといい競馬ができたと思うんですけど、それはタラレバになってしまいます。ただ、当時からかなりいい状態を維持できていたんじゃないかと思います。それはその後の京王杯スプリングCもそう。
武英調教師 府中の芝1400mって難しくて、ちょっとでもハミを噛むと2桁着順まで沈むことが多いような舞台。それまでの2戦、シルクロードSと高松宮記念では馬具を替えての1200mで、折り合いが少し良くなっていました。
そこからたった200m延びるだけなんですけど、競馬の質がガラッと変わるので、普段は速くなるところでペースが落ちた瞬間にガッとハミを噛んでしまいました。「やっぱり噛むのか……」と思ったら、直線はまた伸びてきて。他の重賞でも強い競馬をしてくれていましたけど、京王杯は相当強い競馬をしているなと感じました。
松本場長 いま、心身のバランスが取れていて体調がすごくいいので、京王杯もそれで踏ん張れた部分もあるでしょうね。
武英調教師 あの競馬を見ると