▲昨年の覇者アルピニスタの強さと素顔とは?(提供:A.ウィリス調教助手)
8連勝で昨年の凱旋門賞を制し、ジャパンC参戦の期待も高まる中での電撃引退が発表されたアルピニスタ。
“小柄で冬毛の伸びた1歳馬”が、時を経て世界最高峰のレースを勝利するまでに成長。管理するマーク・プレスコット厩舎の持ち乗り調教助手として当馬の調教からお世話までを行い、軌跡をともに歩んだアナベル・ウィリス調教助手がその強さと素顔を証言してくださいました──。
(構成=netkeiba編集部)
ゴールの瞬間は…「涙が止まりませんでした」
──昨年の凱旋門賞を振り返って、いかがでしたか?
ウィリス まず、凱旋門賞に出走することはとても名誉なことです。そんなレースで上位人気、勝つチャンスがある馬を担当することはめったにないでしょう。アルピニスタの状態はとても良く、自信をもってレースに臨むことができました。
──ゴールした瞬間はどんな気持ちでしたか?
ウィリス 様々な思いが溢れ出てきてとても感情的な瞬間で、涙が止まりませんでした。
酷い雨が降っていてとても難しいコンディションだったにも関わらず、物凄い手応えで直線を向いたアルピニスタを今でも思い出します。あんな手応えで凱旋門賞の4コーナーを回ってくる馬は滅多にいません。
▲多量の雨に多くの馬が苦しむ中、見事に勝利を収めたアルピニスタ(撮影:高橋正和)
──引き上げてきたアルピニスタへ投げかけた言葉はありますか?
ウィリス ハグをして「愛している」と伝えました。ルーク・モリス騎手にも最高の騎乗だったと伝えました。とても特別で希少な瞬間でした。
▲L.モリス騎手とアルピニスタに寄り添うウィリス調教助手(撮影:高橋正和)
──凱旋門賞のあとはジャパンCに遠征という報道もありました。