スマートフォン版へ

【函館SS・エプソムC予想】函館開催が今週からスタート 有力馬の追い切りに加えて2歳新馬戦にも注目!

  • 2024年06月05日(水) 18時00分

長期休み明けのヴェルトライゼンデの調教内容は?


 先週から始まった新馬戦。今年もデビュー前の追い切りで将来の活躍を見込むことができる「将来有望調教」を設定しています。調教条件については、常に新馬戦の予想解説で明記していますので、そちらをご覧ください。

 その新馬戦で「きっと勝ち馬は将来的に重賞を勝つだろう」と思えたのが、6月1日の京都5R。前記した将来有望調教に該当していたのはもちろん、実際にCWでの追い切りの動きを見て、それを感じることができました。これは現地でレースを観ないと、と思い、競馬予想TV!に出演するため東京へ移動する途中に京都競馬場へ立ち寄り、このレースだけ取材してきました。

 結果はご存じの通り。最後の直線は2頭のマッチレースとなり、ダノンフェアレディが1着、ショウナンザナドゥが2着。そして、3着以下を引き離す結果となりました。勝ち時計を考えても、勝ち馬が重賞というよりもこの2頭は重賞でも、という感じがします。GIがひと休みとなった今週からは新馬戦にも注目していただけると来年のクラシックがより楽しめると思いますよ。

調教Gメン研究所

京都5R新馬戦 1着ダノンフェアレディ(写真左)、2着ショウナンザナドゥ(写真右)


【函館SS/ビッグシーザー】

 高松宮記念以来となりますが、5月には栗東で追い切りを開始していて、追い切り本数は十分に消化。特に2週前追い切りが4F51.7秒、2F23.9秒、1F11.9秒と素晴らしいラップを踏むことができています。ちなみに高松宮記念は中2週で追い切りが1本しかなかった割に7着は健闘の部類だと思います。

 函館への輸送も順調だったようで、6月2日には函館Wで15-15程度の追い切りを消化。輸送を挟んだことで、その期間に速い追い切りを消化できなかった部分がどう影響するかだと思いますが、それに関しては、最終追い切りの動きを映像で確認してから判断したいと思います。

【函館SS/ジャスティンスカイ】

 前走鞍馬Sは距離を短縮しての勝利。その後はここを目標にして、栗東である程度しっかりと乗り込まれて函館競馬場へ移動しました。栗東での最終追い切りが1週前追い切りになりましたが、これが坂路4F51.3秒。速い全体時計でしたが、4F目が最速になるラップを踏むことができていて、前走以上に状態が良さそうな印象です。

 北海道の滞在はHTB賞4着時以来ですが、当時は函館に滞在して札幌での競馬。函館の新馬戦は函館滞在で2着、札幌の未勝利は札幌に滞在しての勝利ですから、現地滞在はプラスに捉えてよいと思いますし、連対した2回の最終追いはいずれも芝。不安材料はほとんどないといってよいでしょう。

【エプソムC/ヴェルトライゼンデ】

 昨年の大阪杯以来。長期休養明け自体は2022年の鳴尾記念で1着という結果を出しており、過去実績という意味では競馬の一般常識で判断しない方がよい馬であることは間違いありません。

 ただ、その鳴尾記念では1週前追い切りも最終追い切りも坂路で4F50秒台。2F23.7秒で1F11.7秒ですから、動きに関しては文句なしでした。ちなみに今回の1週前追い切りは坂路で4F51.3秒。全体時計が遅いだけでなく、2F24.4秒、1F12.3秒と終いが失速するラップだったところがポイント。調教内容から見ると、2年前とはちょっと違うという判断が妥当かもしれません。

【エプソムC/トゥデイイズザデイ】

 前走は9ヵ月ぶりのレース。そういったこともあって、2週前追い切りのタイミングでCWでの併せ馬を消化しましたが、今回はそれがありません。3勝クラスを勝った時は中5週でも2週前追い切り、1週前追い切りがCWでしたから、前走からCW追い切りがめっきり減ったということでしょう。

 ゆえに今回はCW追い切りがありません。1週前追い切りは坂路で3歳未勝利を追走する併せ馬で先着。1週前追いの坂路併せ追走先着は前走と同じですから評価できますが、時計自体は前走よりかなり遅くなりました。長期休養明けだった前走との比較にはなってしまいますが、少々物足りなさを感じるというのが正直なところです。

調教Gメン研究所

少々物足りなさを感じたトゥデイイズザデイ(6月4日撮影)


【エプソムC/アルナシーム】

 前走都大路Sは中5週というローテーションでしたが、坂路での追い切りが中心。ただ、1週前追い切りがCWというのは以前から変わらないパターンで、それはきっちり課せられており、併せ馬を先着するという内容。6F79.9秒と全体時計が速いのはこの馬の特徴だと思います。

 今回はレース間隔が詰まる中3週。それでも1週前追い切りのCWは変わりませんでした。ただ、今回は単走。そして、時計が6F76.5秒ということで、とんでもない数字が出ました。道中速いラップを刻みましたが、ゴール前で止まった感はなく、最後は流した感じ。気分よく走れば、このくらい楽に出てしまうのかもしれません。無理に抑えるといったようなことをせずに走って、ちょうどいいポジションに収まれば、このタイミングで重賞制覇ということもあって不思議ではありません。

◆次走要注意

・6/2 2歳新馬【エルモッソペンドロ】(7人/4着)

 7番人気という低評価でしたが、将来有望調教に該当。ハナを切るも最後に失速したのは、追い切り本数の少ない調教タイプだったことが影響したかもしれません。このまま続戦したとしても、ひと息入れたとしても、未勝利はすぐに勝ち上がるでしょう。

[メモ登録用コメント] [芝長距離]最終追い切りがCWならラスト1F11秒台で勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<東京芝1800m>
◎追い切り本数標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切りトラック馬場ラスト1F最速ラップ

 過去5年のエプソムC1着馬は、2019年から乗込併用、標準多め併用、標準併用、標準多め併用、標準坂路主体。すべて◎に該当する調教タイプでした。最終追い切りの馬場に関しても○の該当馬が多数。これは調教適性で予想する上では重要視すべきでしょう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング