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【マーメイドS・米子S・スレイプニルS予想】厩舎適性重視で予想! 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年06月12日(水) 18時00分

福永祐一厩舎エーデルブルーメ仕上がりは?


 先週からスタートした函館開催。これまで、調教適性を主にして予想を展開していましたが、今年から厩舎適性を重視した予想にシフトしました。ある程度の成績基準を重視することにしていますが、その中でピックアップされる馬の近況を見ていると「なるほど」と思える馬が多いことに自分自身が驚きました。

 つまり、過去の函館成績が良いということは、それだけ今年も勝てるような馬を入厩させているということ。特に開幕から数週はこの傾向が続くはずですから、今週も厩舎適性重視は続けます。予想の中身に関しては、ウマい馬券でご確認くださいね。

【米子S/ノーブルロジャー】

 シンザン記念勝ち、毎日杯2着の重賞実績があるのに54キロ。3歳馬だからこその斤量だと思いますが、これは大きなアドバンテージになりそうです。古馬との力関係はともかく、まずはNHKマイルC後の状態が気になります。

 5月下旬には栗東で追い切りを開始して、吉岡辰弥厩舎らしく、1週前追い切りは6月8日の土曜日に坂路で4F51.8秒をマーク。同じような調教パターンでNHKマイルCは結果を出せていませんが、毎日杯2着の時は同じ感じ。そもそも阪神に実績がありますし、ここは人気でも妥当なところだと思います。

調教Gメン研究所

斤量が大きなアドバンテージになりそうなノーブルロジャー(6月4日撮影)


【スレイプニルS/クールミラボー】

 東京ダート2100mで連戦していて、前走がOPを3着。当時よりもレース間隔は詰まっていますが、中6週ですから、追い切りの負荷が微妙に必要なレース間隔といってもよいのかなと思います。

 ただ、今回の最終追い切りはCWで3F38.5秒。併せ馬を追走して同入したという負荷は前走なかったものですが、前走のCW3F時計は36.8秒。1週前追い切りも含めて、3F時計が遅い点が少々気掛かり。ただ、この条件はメンバー比較でも圧倒的な実績を残しているので、3F時計だけでマイナス評価をする必要もないのかも知れません。

【マーメイドS/エーデルブルーメ】

 前走が福永祐一厩舎での初戦となりましたが、中4週というレース間隔に対して、しっかりと追い切り本数をこなしての勝利。特に1週前追い切りはCWで6F79.5秒、5F63.8秒と速い時計をマークして、最終追い切りは6F89.0秒と遅い時計で、2週にわたって緩急をつけた内容での結果は素晴らしいと思いました。

 今回も緩急をつけてくると思いましたが、1週前追い切りのCWは6F81.9秒。さほど速い時計ではなく、その分なのか、最終追い切りのCWは6F85.2秒。5月23日の時点で坂路4F51.9秒という速い時計をマークしていたので、その状態をキープするような感じかも知れませんが、前走と少し違う時計内容が気にはなります。

調教Gメン研究所

状態キープも前走と少し違う時計内容が気になるエーデルブルーメ(6月11日撮影)


【マーメイドS/ミッキーゴージャス】

 前走大阪杯は愛知杯以来のレース。1週前追い切り、最終追い切りともにCWで負荷をかけるという調教内容でしたが、結果は伴いませんでした。ただ、追い切り本数が少なかったことや牡馬相手のGIだったことを考えると、調教パターンをうんぬんという判定をするのも難しいところです。

 今回は1週前追い切りがCWで最終追い切りが坂路。これは愛知杯を勝った時と同じパターンになります。ただ、今回も追い切り本数は決して多くなくて、前走と似たようなもの。愛知杯の時の2週前追い切りがCWだった点を考えると、今回は坂路ですし、能力的にここで最上位は間違いないと思いますが、調教内容からは高く評価しにくい部分もあります。

調教Gメン研究所

ミッキーゴージャスは能力的に最上位も調教内容の評価が難しい(6月11日撮影)


【マーメイドS/コスタボニータ】

 前走福島牝馬Sで重賞勝ち。55キロでの優勝ということもあって、今回は56キロというハンデになりました。ミッキーゴージャスとの比較なら、少しこちらの方が有利かなと思える斤量ですが、自身としては初めて背負う斤量という意味で判断の難しいところです。

 調教内容に関しては、中7週が中山牝馬Sと同じ。よって、追い切り本数も当時と同じになります。ただ当時は週中にCW追い切りがなかったのに対して、今回は1週前追い切りがCW。この内容が良かったと思いますし、最終追い切りの坂路でも4F目が最速になるラップを踏んで12.1秒。斤量はともかく、馬場が渋れば他よりもアドバンテージのある走りだったと思います。

◆次走要注意

・6/9 2歳新馬【クロワデュノール】(3人/1着)

 東京芝1800mの新馬戦を1分46秒台で走るのは驚異的。もちろん、アルレッキーノという存在がこの時計をつくった側面はありますが、その相手も2馬身1/2離したわけですから、この強さは本物。栗東所属馬が東京を経験したという意味でも大きな一戦です。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]最終追い切りがCWならラスト1F11秒台で勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝2000m>
◎追い切り本数標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切り坂路馬場1F目14.5秒以下2F目13.9秒以下3F目12.9秒以下
○最終追い切り坂路4F目最速ラップ

 京都芝2000mで行われるマーメイドSは2006年以来。当時は追い切り本数というよりも、坂路で4F目が11秒台だったり、当時のDW(現在はない)で5F64秒から65秒といった速い時計をマークしている馬が好走していました。このあたりが調教適性としてひとつの鍵になるかなと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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