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【宝塚記念・天保山S・パラダイスS予想】春グランプリは18年ぶりの京都開催! 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年06月19日(水) 18時00分

ドウデュースの仕上がりは?


 今週は宝塚記念。私が出演させていただいている競馬予想TV!のシーズン最後のGIレースになりますが、回収率上位者が出演するので、私は出演することができません。応援していただいているファンの皆様には申し訳ない結果となってしまいましたが、予想を披露する場所はココ、netkeibaのウマい馬券があります。

 現時点では買い目、印ともに絞るつもりでいます。そうすると、良いにせよ悪いにせよ、触れる馬の数が少なくなってしまいますよね。よって、今回に限っては出走馬全頭についての評価を記すことにしようと思います。「井内の馬券の買い方は下手だけど、各馬のジャッジは参考にしている」という方にはぜひご覧いただきたいですね(笑)

【天保山S/サトノルフィアン】

 3勝クラスをなかなか勝ち切れないところがありましたが、前走は勝ち時計も速く、先行押し切りで強い競馬内容だったと思います。これでダートは3勝目ですが、すべて左回りの競馬場。まずはここがひとつの課題になるかもしれないのが、今回です。

 ただ、調教面においては前走同様の評価をしなくてはいけません。1週前追い切りが坂路で4F50.4秒をマークして自己ベストを更新したのが前走。実は今回も同じように1週前追いが坂路で4F50.4秒をマーク。中5週と適度に間隔があいていることがよいのかもしれませんが、調教から判断できる状態に関しては前走と同じだと思いたいところです。

【パラダイスS/シングザットソング】

 4歳になってからの3戦は使いつつ、というか、オープン特別なら馬券圏内に入ってくるという成績になっています。前走安土城Sは中6週で4本の追い切りでしたが、週中と週末の坂路で4F55秒台を3本。これが適当な追い切りの負荷だったと考えてよいのかもしれません。

 今回は中3週というレース間隔が詰まったローテーション。そういったこともあるのでしょう、週末は58秒台、1週前追い切りは4F56秒台という時計の出し方。そもそもレース間隔が詰まって良績を残せていないだけに、時計を出さない選択もありだとは思いますが、前走時とはちょっと違う調教内容という判断でよいと思います。

【宝塚記念/ドウデュース】

 前走のドバイは内で全くスペースがないままに終わった5着ですから、全く気にすることがない敗戦。ただ、海外遠征帰りであることは間違いない今回ですから、その点がどうかでしょう。もし、同じドバイ遠征帰りというくくりで昨年の天皇賞(秋)を参考にするなら、それは間違い。なぜなら、まず昨年のドバイは競走していませんし、その後の休んだ期間も違います。

 天皇賞(秋)の追い切りは唸るような雰囲気で良いと判断しましたが、結果的には気負っていたんだと思います。それが少しずつなくなってきて、ベストな状態が有馬記念だったんでしょう。そして、今年もドバイ遠征までの追い切りの内容も素晴らしかったと思いますが、今回、宝塚記念に向けての調整の方が、よりスムーズに、より折り合った走りを見せています。

 最終追い切りは芝馬場。芝での最終追いは新馬戦、アイビーSで経験済み。前日の雨でたっぷりと水分を含んだ馬場状態でしたから、適度にクッションが利いていたと思います。前にカルデアを先行させ、最後までそれを見る形。時計は6F82.1秒、ラストは1F11.7秒、力みがなくて、素軽い動き。完璧な調整でレースを迎えることができると思います。

調教Gメン研究所

完璧な調整でレースを迎えることができそうなドウデュース(6月12日撮影)


【宝塚記念/ジャスティンパレス】

 昨秋の天皇賞(秋)、有馬記念は関東圏への遠征ということもあってか、坂路での追い切りが多くなり、最終追い切りも坂路というパターンでした。ただ、天皇賞(春)を勝った時は1週前追い切りも最終追いもCWでしたから、関西圏でのレースなら、これがベストパターンになるでしょう。

 今回は1週前、最終ともにCWでの追い切りを選択。ただ、天皇賞(春)も宝塚記念も1週前、最終ともに併せ馬が先着だったのに対して、今回は1週前追いは遅れて、最終追いも同入にとどまっています。最終追いに関しては相手の手応えを見ていても、遅れたかなというくらいの見た目。時計的には全く問題ない、むしろ評価すべき内容ですが、併せ馬がどうも気になります。

調教Gメン研究所

時計的には全く問題がないジャスティンパレス(6月18日撮影)


【宝塚記念/ベラジオオペラ】

 日本ダービー4着の後、少しレース間隔をあけましたが、チャレンジCが1着。4歳になって京都記念2着から大阪杯を勝って、GIを制するという、素晴らしいステップを踏んで頂点を掴んだという印象があります。そして、今回のレースに向けての調整も順調、1週前追い切りはいつも通り、CWでの併せ馬を先着して、ラスト1Fは10.8秒。文句なしの内容でした。

 ただ、最終追い切りが坂路。これはセントポーリア賞を勝った時と同じパターンになります。当時はデビューから2戦目、東京へ初めての遠征ということでその選択になったのかなと思っていました。共同記者会見でのコメントなどで、坂路で追い切った意図については説明がされていると思いますから、それを聞いてみて、ということにはなりますが、GIを勝った時とは違うパターンというのは気にすべき点ではあります。

調教Gメン研究所

文句なしの調教内容を消化したベラジオオペラ(6月18日撮影)


◆次走要注意

・6/15 保津峡S【ブラックブロッサム】(2人/1着)

 中99週。超がつく長期休養明けをきっちりと勝ち切りました。牧場での調整はもちろん、栗東に在厩して、入念に追い切りを積み重ねたことが結果に表れたと思います。能力の高さは間違いありませんから、このまま順調に来年の春の盾を目指してほしい、というのが個人的な意見です。

[メモ登録用コメント] [芝中長距離]最終追い切りがCWならラスト1F11秒台で勝ち負け

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝2200m>
◎最終追い切り坂路4F目最速ラップ
◎追い切り本数標準以上の併用系統の調教タイプ

 上記が春開催京都芝2200mで定番としている調教適性。ちなみに先週の3勝クラス、保津峡Sは1着、2着、3着は◎併用系統でした。勝ち時計が良馬場で2分10秒8。金曜日からずっと雨マークもついている京都ですから、当日になってみないと分からないというのが正直なところかもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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