【中京記念】前半が速くなりづらい小倉1800米 前につけて動ける馬を中心に推す
21、22年の傾向から導き出す傾向
小倉の1800米はどうなっているのか、これを知ることで、今年の中京記念の行方を探りたい。まず一周が1615米で福島に次ぐ小ささで直線は293米しかない。小回りでだいたい平坦なコースなのだが、ゴール板から1、2コーナーにかけて高低差3米のゆるやかなアップ・ダウンがあることで、レースに微妙な影響を与えている。
1800米はスタンド前からスタートし、右回りでぐるっと4つのコーナーを回ってゴールするのだが、スパイラルカーブを導入していてスピードに乗せて2、3コーナーに入れるようになっている。この影響で最後の4コーナーから直線に向くときがきつい。大外一気を決めるには、余程いい末脚を持っているか、コースが使い込まれて内が荒れていないと難しい。
2021年と22年は、中京記念は小倉の1800米で行なわれていたので、この2回のレースからヒントを探ってみた。両年とも良馬場、21年はハンデ54キロの5歳牝馬アンドラステが1番人気で勝っていた。スタートを決めて3番手のインにつけ、ロスなく回って4角で差をつめ、早目に先頭に立って1年2か月ぶりの勝利で重賞初制覇を達成していた。牝馬としては22年ぶりの中京記念の勝利で、中内田調教師は「道中の雰囲気が良かったし、すべてが最後につながった」と語っていた。ペースは、前半4ハロンが47秒9、後半4ハロン46秒3だった。
翌年の22年はハンデ55キロの5歳牡馬ベレヌスが6番人気で勝利したが、ダッシュを利かせて1角でハナに立ち、半マイルすぎにペースを上げ、4角を回ったときには2馬身のリード。ゴール前2着馬に大外から詰め寄られたが半馬身差で逃げ切っていた。前半4ハロンが48秒1、後半4ハロンは46秒0だった。
この2年から見えているのは、スタートして向正面に入るまではそんなに速くはならず、残り1000米をすぎるとペースが上がるということだ。他の1800米戦を見ても、多くがそうなっていることは重視しなければならないだろう。
こうなると中心に推したい馬は、ある程度前につけて動けるものということになる。もちろん逃げ馬も対象になる。そしてなによりも付け加えたいのが、コース実績。両馬ともそれがあった。
今年のメンバーの中では、小倉で3戦3勝のニホンピロキーフが目を引く。末脚のいいのが武器になっているが、速くなるようなら面白い。同じ舞台の2月の小倉大賞典組から1〜4着馬がそっくり出てくるが、この中では1000米を57秒台でとばしたセルバーグに着目したい。さすがに飛ばしすぎて3着に終わっていたが、今回は巧く流れをリードするとみて中心馬にしたい。これを好位でみて動く組が面白い存在で、2連勝中のセオ、小倉大賞典で立ち回りよく重賞初制覇を達成したエピファニー、ハンデ頭の実力馬エルトンバローズを押えに。
「別の顔 中京記念も 小倉だと」