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【秋華賞・府中牝馬S予想】栗東滞在する美浦所属馬の仕上がりは? 有力馬の調教を解説

  • 2024年10月09日(水) 18時00分

ステレンボッシュは桜花賞と異なるパターン


 今週は秋華賞。桜花賞馬ステレンボッシュは早くから栗東に滞在していますが、先週はクリスマスパレードやミアネーロも栗東入り。得意か不得意かと問われたら、不得意と言わざるをえない過去の秋華賞成績ではありますが、本命が4着という結果も何度かあるレース。今年こそはそんな愚痴をこぼさなくてもよい結果にしたいものです。

 先週お休みをいただいた予想バイブル。スプリンターズS週まで「厩舎のミカタ」ということで、VSOPを紹介するコンテンツでしたが、今週からリニューアル。「調教のミカタ」ということで、調教とは何か、という根本的な視点で解説していきます。よって、週末の予想に役立つというよりも、バイブルを読み返した時にこの状況ならこんな狙い方をした方がよいという内容になります。

 第1回目は今週の重賞が秋華賞、府中牝馬Sということで「牝馬に適した調教とは」というテーマにしました。ご興味のある方は、更新予定の金曜日に予想バイブルからご確認ください。

【秋華賞/ステレンボッシュ】

 休み明けだけど、追い切りはすべて栗東で消化。これは桜花賞の時と全く同じパターンになります。追い切りを開始するタイミングも3週前の週末からですから、これも同じ。ですから、このまま順調に進めていき、桜花賞の時のようなパフォーマンスを発揮するんだろうなと注目していました。

 しかし、1週前追い切りは坂路。これは桜花賞の時のCWとは違います。それだけではなく、追い切った曜日も水曜日ではなく木曜日。ひょっとしたら、9月29日の日曜日に時計を出していないことが関係しているのかな、なんて思ったりしますし、とにもかくにも桜花賞の時とは違ったパターンだということは間違いありません。ちなみにCWでの最終追い切りには戸崎圭太騎手が騎乗。これは桜花賞の時になかったパターンですが、阪神JFの最終追いでは当時レースで騎乗したC.ルメール騎手が騎乗しています。

調教Gメン研究所

桜花賞の時とは違った追い切りパターンを消化したステレンボッシュ(写真左奥、10月9日撮影)


【秋華賞/クイーンズウォーク】

 ローズSは休み明けでもきっちりと追い切り本数をこなして、能力を発揮できる状態で結果を出したという判定をしています。それだけに今回の調教内容に関しては、中3週ということもありますし、あまり強い負荷をかけることはないんだろうと想定していました。

 そんな中でも1週前追い切りは単走とはいえ、CWで6F83.3秒。1F11.2秒は素晴らしい動きだったと思います。最終追い切りは坂路で4F57.0秒と前走の最終追い55.1秒よりも遅くなりましたが、今朝の坂路の馬場状態を考えれば、決して遅すぎるということはありません。あとは中3週というレース間隔が今までで最短となるので、それが問題ないかどうかというくらいでしょう。

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最終追い切りは坂路を消化したクイーンズウォーク(10月2日撮影)


【秋華賞/クリスマスパレード】

 紫苑Sは休み明けでしたが、8月中旬から美浦で追い切りを開始して、1週前追い切りは美Wで3頭併せの負荷。最終追い切りは坂路で単走でしたが、休み明けとしては負荷のバランスが絶妙だという印象を受けました。

 今回は中4週。どんな調整をしてくるかと思いましたが、美浦では時計を出さず、栗東へ移動してから2本の追い切り。最終追い切りは坂路で4F53.2秒、4F目12.7秒で最速ラップを踏むことができており、パワーのある馬だという印象を受けました。ただ、追い切り本数が決して多くないので、この点に対する評価でこの馬の取捨が決まると思います。

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栗東で追い切りを消化したクリスマスパレード(10月9日撮影)


【府中牝馬S/マスクトディーヴァ】

 春シーズンも良く見えていましたが、今回の在厩では普段の歩き姿から力強さが漲っていて、これはもう目が離せないといった雰囲気を漂わせてくれています。1週前追い切りのCWでの3頭併せは時計だけじゃなく、本当に素晴らしいラスト1F11.5秒。今なら楽々と動けるよねって感じで見ていました。

 そして、最終追い切りは坂路。ヴィクトリアマイルの時のように速い時計ではなく、4F55.1秒と遅めの時計。とはいっても、この日の馬場状態を考えると数字以上に速いですし、時計に関して気にするようなところはありません。ここはきっちりと結果を出して、次のステップへと進んで欲しいところです。

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最終追い切りは坂路を消化したマスクトディーヴァ(10月1日撮影)


【府中牝馬S/ハーパー】

 エリザベス女王杯3着以降が大敗続きですが、すべてGIレース。ヴィクトリアマイル15着からレース間隔をあけての今回はしっかりと栗東で乗り込んでいます。そんなこともあって、1週前追い切りのCWでの3頭併せはあっさりと追いかけた2頭に追いついて突き放す内容。動くなあという印象でしたね。

 最終追い切りはCWで3コーナーから入場しての半マイル。武豊騎手が騎乗して感触を確かめる程度になりましたが、時計は4F51.2秒。3F36.5秒、1F11.4秒と速くなりましたが、個人的にはまずまずかなという印象。良い時はもう少し迫力があったかも、というのは先入観かもしれませんし、とにもかくにも今回でどんなレースを見せてくれるかです。

調教Gメン研究所

栗東でしっかりと乗り込んでいるハーパー(写真左、10月2日撮影)


◆注目の新馬戦

・10/5 【アイサンサン】(4人/2着) 将来有望調教該当<4頭>

 将来有望調教の該当が4頭いて、1着2着4着5着とすべて掲示板に載りました。4頭の中で最も人気がなかった本馬でしたが、レースセンスを感じる走り。4着5着馬も含め、今後はすぐに結果を出してくれるでしょうから、このレース自体がレベルの高い一戦だったということになりそうです。

◆開催おすすめの調教適性

<京都芝2000m>
◎最終追い坂路4F目最速ラップ
◎本数標準以上併用系統の調教タイプ
○1週前追い切りトラック馬場4F52.9秒以下かつ併せ先着

 昨年の秋華賞は3着以内3頭はすべて追い切り本数標準以上の併用系統の調教タイプでした。また1週前追い切りに関しては4F52.9秒以下は2頭だけでしたが、3頭とも併せ先着。これも内回りを考えると重要なファクターかもしれません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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