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【阪神JFなど予想】京都で2週続けて2歳マイルGIが開催 有力馬の調教内容をジャッジ

  • 2024年12月04日(水) 18時00分

圧巻の1週前追い切りだった阪神JF出走予定馬とは?


 今週から2週続けて、京都マイルで行われる2歳のGI。今週の阪神JFは1勝馬の出走枠が「2つ」しかないという狭き門。現時点での本命候補は1勝馬の中にいますが、その理由は『栗東坂路とCWの将来有望調教にダブル該当』しているから。こればっかりは抽選に任せるしかないので、抽選に突破しない前提で本命を探しておきます(笑)。

 調教適性という意味ではマイルCSでも狙ったパターンを重視しようかと思っています。ただ、マイルCSがBコースの最終週だったのに対して、今回はCコースの3週目。これによって調教適性が変わってしまうのか、それとも馬場の傷み自体は進んでいるのでやっぱり坂路が有利なのか。ここは判断の難しい部分です。

【中日新聞杯/シランケド】

 1週前追い切りのCWでは6F79.8秒と速い時計をマーク。しっかり動けたと思いますし、 猪苗代特別を勝った時と同じように併せ馬を先着というオプションも消化しました。この動きを見ると、エリザベス女王杯をスキップして、ここにした影響は全くないと思います。

 ただ、最終追い切りがCW。これまでで初めてのパターンになります。これがすごく評価の難しいところ。いつも坂路なのに、CWにしたことがどう影響するのか。ここは判断が難しいところです。

【カペラS/チカッパ】

 いつも高い評価ができない、苦手な馬なのですが、その理由は坂路での追い切りのラップ。3F目が12.5秒以下なら中竹和也厩舎のVSOP(非常に優良な追い切りパターン)で評価できるのですが、この馬は1F目から速いラップを踏んで、3F目にはすでに減速していきます。ここがどうしても高い評価ができないんです。

 今回の最終追い切りも13.2秒、12.9秒と入って、12.9秒、13.2秒。今回はどちらかといえば、持続的なラップですが、それにしても3F目は速いラップにはなっていないし、4F目最速ラップではありません。ただ、昨年12月に中山ダート1200mを勝った時はVSOPに該当していて、今回は該当していないという客観的な評価はできます。

【カペラS/テイエムトッキュウ】

 昨年の覇者。昨年は中3週というローテーションでしたが、今年はサマーチャンピオン以来の休み明け。佐賀での敗戦はレースが延期になり、馬体重も大きく増えてしまったことが敗因だと思うので、そこはノーカウントにできる一戦だと思います。ただ、その影響がないかどうかは、正直、ここを走ってみないとわかりません。

 1週前追い切りに関しては、4F51.7秒、2F24.5秒なら決して悪くありません。ただ、ステッキが入って、4F目最速ラップを踏むことができなかったのはやっぱり気になります。今回の馬体重は追い切りをしっかり課してのものなので、数字自体は気にしなくてよいのですが、この馬の武器であるスピードを発揮するための素軽い体ではないような気もします。

調教Gメン研究所

4F目最速ラップを踏むことができなかったことが気になるテイエムトッキュウ(12月3日撮影)


【阪神JF/ショウナンザナドゥ】

 冒頭に記した狙いたい馬。前走アルテミスSでせめて2着なら、というところですが、終わったことは後悔しても仕方ありません。1週前追い切りは同じレースに出走予定のビップデイジーを追走して突き放しての先着。4F51.1秒が自己ベスト更新で、2F23.6秒と素晴らしい時計でした。

 最終追い切りは坂路で4F54.6秒。4F目最速ラップを踏めたという意味では評価したいのですが、やはり抽選対象ということで、来週になることも頭に入れての追い切りといった感じ。1週前追い切りはすごく高く評価したいのですが、最終追いはまあまあとお茶を濁すような評価になってしまいます。

【阪神JF/ミストレス】

 中1週だった前走は最終追い切りが坂路で4F56.7秒。4F目最速ラップを踏むことができたのは、この馬の自在性を示すラップだったといってよいと思いますが、やはり強い攻め内容でなかったことは確かです。

 それに対して今回は1週前追い切りのCWでの併せ馬の内容が圧巻。6F79.5秒は当然の自己ベストですし、古馬3勝クラスに先行して、最後の直線は仕掛けて仕掛けてという内容でしたが、それに応えて最後まで走り切ります。最終追い切りも坂路で4F53.7秒で4F目12.4秒の最速ラップ。自分でペースをつくってしまえば、最後まで押し通すイメージが湧く調教内容ではあります。

調教Gメン研究所

1週前追い切りの内容が圧巻だったミストレス(12月3日撮影)


◆注目の新馬戦

・11/30 【レズルレクティオ】(2人/2着) 将来有望調教該当<2頭>

 栗東坂路とCWのダブルで将来有望調教に該当。8頭立てということも考えれば楽勝だと思いましたが…。個人的には全く力負けしたという印象はなく、次はきっと結果を出してくれると思います。ダブル該当の片鱗を見せる直線の雰囲気でしたし、次は本当にお願いします。

◆開催おすすめの調教適性

<中京芝2000m>
◎調教タイプ追い切り本数標準以上併用系統
○最終追い切り坂路4F目最速ラップ

 昨年の中日新聞杯は1着標準坂路主体(2人)、2着標準併用(12人)、3着馬ナリ平均併用(4人)で、1着馬が最終追い坂路4F目最速ラップにも該当していました。また、先週の初日12Rの1勝クラスは1着◎、2着◎○、3着○という結果。基本的に併用系統は重視ですが、今年は坂路4F目最速も好走できる馬場だと思います。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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