
▲スタッドイン当日のモズアスコット(提供:株式会社ジェイエス)
いよいよ今週末に迫った日本ダービーに、モズアスコットの初年度産駒・ファウストラーゼンが出走します。 芝とダートのGIを制した“二刀流”モズアスコットは20年に引退し、フランケルの後継として種牡馬入り。今回は、現在同馬が繋養されているアロースタッドの菊谷陽平さんを直撃。「クールなパパ」と評す同馬の様子や産駒の特徴などを、生産地視点でお話しいただきました。あわせて、現役時代のモズアスコットを知りつくした矢作芳人調教師からもコメントをいただき、産駒への期待や適性について語ってもらいました!
(取材=佐々木祥恵(インタビュー)、松山崇(矢作芳人調教師コメント))
産駒は「父に似て重心が低く、筋肉質」
──今回モズアスコット産駒のファウストラーゼンが日本ダービーに出走します。モズアスコット自体は2400mは走ったことがないですが、そのあたりはいかがですか?
菊谷 ファウストラーゼンが弥生賞を勝つまでは、他の産駒はダート、芝問わず短めの距離を走る傾向がありましたが、ファウストラーゼンのお母さんのペイシャフェリスは父がスペシャルウィークなんですよね。そこがうまくはまったのかなと。
──ではこれからも組み合わせによってはファウストラーゼンのような馬も出てきそうですね。
菊谷 個人的にペイシャフェリスは繁殖として能力が高いと思っていますので、そこがモズアスコットとうまく合って良い子供が出たという気がしますね。
──初年度産駒からファウストラーゼン以外にも活躍馬が出ています。
菊谷 去年の2歳GI・阪神JFF(モズナナスター、リリーフィールド)にも産駒を送り出していますし、地方でも重賞を勝っていますので(ベアバッキューン)、やはり芝ダート問わず繁殖のタイプによっては多少距離が持つ馬が出てきても不思議ではないという認識ですね。

▲早速芝ダートともに活躍馬が台頭(撮影:山中博喜)
──モズアスコットは種牡馬としてはどのようなタイプですか?
菊谷 基本的には元気に種付けするタイプです。ただ重心が低いので、大きい繁殖牝馬が来ると苦労する点がありますね。
──そういう場合、何か工夫をされているのですか?