毎日王冠は3歳馬が圧倒的な成績
今週から東京、京都の開催がスタート。直線の短かった中山、時計が速くて前が止まらなかった中山から東京に舞台が替わることで、どんな結果になっていくのか。馬場状態も気になるところです。そして毎日王冠に関しては、いろんなコラムにも書いたと思いますが、3歳馬が圧倒的な成績。過去6年で[5-0-0-5]ですから、現時点でサトノシャイニングが1番人気というのは納得です。そして、勝ち馬5頭はすべて重賞勝ちの実績があったので、きさらぎ賞を勝っているということもファンが支持するところなのでしょう。
京都大賞典は特別登録の段階でフルゲート18頭立てよりも多い19頭。このままの頭数が出馬投票してくれば、過去10年では最多頭数となりそうです。ちなみに17頭立てだった2回は大波乱(2019年)と1番人気から3番人気の堅い決着(2020年)。時計の速い決着なら、逃げ残りなら波乱決着なのかな、なんて思っています。
【毎日王冠/サトノシャイニング】
日本ダービーの結果に関しては、見方によって評価が分かれてくると思いますが、個人的にはハナを切ることができていれば、4着以上の粘りも見せることができたのではないかという見解。もちろん、それは距離が2400mだったからであって、今回の1800mなら無理にハナを切る必要はないかもしれませんが、東京スポーツ杯2歳Sの2着を考えると、ハナを切ってどんなレースをするか見てみたいところ。
やっぱりハナが理想かな、と思わせてくれたのが、武豊騎手が跨った1週前追い切り。3頭併せを最後方から追走しましたが、3コーナー手前では我慢できずに先頭に立ち、最後まで2頭に差し返されることはありませんでした。もちろん無理にハナではなく、スピードに乗ったら、それを殺さない走り。これがベストパフォーマンスに繋がってくるはずです。

ハナが理想かな、と思わせる内容だったサトノシャイニングの1週前追い切り(9月30日撮影)
【毎日王冠/エルトンバローズ】
2023年1着、2024年3着。前走中京記念は8着でしたが、9ヶ月ぶりというブランクも影響したはずです。そして今回は西村淳也騎手。やっぱりこのジョッキーが合うのかなと思わせてくれたのが、9月18日の栗東坂路で4F51.8秒をマークしつつ、4F目11.7秒。4F時計は自己ベストを更新しています。
1週前追い切りのCWではサトノシャイニングの「まくり」に先行と追走が入れ替わる場面がありましたが、そんな中でゴールではほぼ同入。前走も1週前追い切りの動きは素晴らしかったのですが、これは泉谷騎手が跨っており、西村淳也騎手ではありません。結果を出しているコースで今回の調教内容なら巻き返してくると思います。

坂路では4F時計の自己ベストを更新したエルトンバローズ(9月30日撮影)
【京都大賞典/アドマイヤテラ】
3歳以上2勝クラスを勝ったばかりの菊花賞でしたが、武豊騎手がうまく導いて3着。今年は武豊騎手が騎乗して連勝しており、今回の乗り替わりはどうかですが、新馬と3歳1勝クラスを連勝した時の川田将雅騎手が手綱を握るなら、というところでしょう。
休み明けでも8月下旬には栗東で時計を出し始めており、調教量は決して少なくありません。ただ、2週前追い切りはCWで3頭併せが最遅。これはどうかと思いましたが、1週前追い切りのCWではまずまず動いた感じ。目黒記念の1週前追い切りでもCWでの3頭併せは最遅でしたから、動き自体はあまり気にしなくてもよいのかもしれません。

1週前追い切りのCWではまずまず動いたアドマイヤテラ(9月23日撮影)
【京都大賞典/ショウナンラプンタ】
3歳春のゆきやなぎ賞以降、勝利からは遠ざかっていますが、天皇賞(春)3着、宝塚記念4着という立派なGI実績があります。ただ、ここは休み明け。休み明けは日経新春杯の2着があるという判断もできますが、この時は有馬記念への出走を視野に入れていたこともあり、山ほど坂路での追い切りを積んでいたという事実はあります。
今回は決して多くない追い切り本数。ただ、1週前追い切りの坂路では松山弘平騎手が跨り、2F24.1秒、1F11.7秒。3F目区間では手綱を引っ張っているように見えましたが、それでも12.4秒を踏んでいて、手綱を譲って11.7秒。これだけ動けば、本数が多くないことは気にならないというのが、見た目の印象になります。

調教の動きからは本数が多くないことは気にならないショウナンラプンタ(9月30日撮影)
【京都大賞典/サンライズアース】
前走の最終追い切り。CWで古馬2勝クラスを追走して手応え劣勢の同入。調子が悪いというよりも、追いかけることが得意ではないというのは競馬予想TV! に出演した時に解説しました。レースの結果が4着だったことから、やっぱり調子が悪いのではなく、追いかけることが得意ではないという判定で合っていたと思っています。
1週前追い切りのCWでは先週の芙蓉Sに出走したロックターミガンを追走。持ったままの手応えに追いつくのがやっとでしたが、ラスト1Fは11.2秒。この馬なりに追いついたというところなのです。ただ、最終追い切りのCWでは2歳新馬と併せて、ラスト1F標識手前で一旦前に出ます。その後は楽に詰められてしまいますが、苦手な追走で一度抜け出したところは評価すべきなのでしょう。

苦手な追走で一度抜け出したところは評価できるサンライズアース(9月30日撮影)
◆注目の2歳戦
・9/20 芙蓉S【ザーフィル】(3人/3着) 将来有望調教該当<2頭>
本馬は将来有望調教の該当馬ではありませんでしたが、パドックを見た時の馬体の迫力はこのメンバーで一番。ただ、馬体重が示すように、少しパワータイプなのかもしれません。そういった意味では、もっと道中の流れが速く、馬場が傷んだ状態の方がパフォーマンスが上がりそうなだけに、これはホープフルSの時まで覚えておきたいですね。
◆開催おすすめの調教適性
<東京芝1800m>
◎追い切り本数が標準以上の併用系統の調教タイプ
○最終追い切り美W併せ追走同入先着
○最終追い切り栗東坂路4F目最速ラップ
2024年4回5回東京開催の東京芝1800mは23レースありましたが、うち20レースで◎もしくは〇もしくは◎○の該当馬が勝利しています。毎日王冠、アイビーSは○併せが勝っているので、開催前半のオープン以上のレースということになれば、併せ馬が重要な条件になってくるかもしれません。