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「ゆっくり飲めたのがうれしくて」武豊騎手とのサシ飲みが楽しかった盛岡の夜と更に膨らむエコロクラージュへの期待

  • 2025年10月14日(火) 18時01分
太論

▲南部杯では5着と健闘したエコロクラージュへ小牧太騎手が抱く先々への期待とは(撮影:高橋正和)


先週は、園田の3日間開催で7つの勝ち星を積み上げ、月曜日に盛岡競馬場で行われたマイルチャンピオンシップ南部杯(JpnI)では、10番人気エコロクラージュで3着争いを繰り広げた小牧騎手。結果への満足度もさることながら、盛岡の夜が相当楽しかったようで…。

今回の『太論』では、「ホンマに楽しみや」と語るエコロクラージュへの手応えと、朝方までサシ飲みしたという大好きなジョッキー仲間との貴重な時間を語ってくれました。

(取材・構成=不破由妃子)


翌朝寝坊するほど楽しかった盛岡の夜「久しぶりにゆっくり飲めてうれしかった」



──小牧さん、お疲れさまです! まだ盛岡ですか?

小牧 いや、今さっき帰ってきてん。実は今朝、飛行機に乗り遅れそうになって…。もう絶対に無理やと思ったんやけど、なんとかギリギリ間に合ったわ。いつも早め早めに動く僕が珍しいやろ?

──ですね。なにかアクシデントがあったんですか?

小牧 寝坊した(苦笑)。

──それは珍しい! 小牧さんにとって、「寝坊」という言葉ほど縁遠いものはないのに。

小牧 昨日、一体何時まで飲んでいたのか…。たぶん朝方まで飲んでたと思うわ。(武)豊くんとふたりでね。

──武さんとサシで!?

小牧 うん。ふたりでバーで飲んでた。(南部杯)5着という結果もめちゃくちゃうれしかったんやけど、それ以上に豊くんと久しぶりにゆっくり飲めたのがうれしくてねぇ。僕の近況とか、自分の話ばっかりしてしまった(苦笑)。それにしても、よう飲んだなぁ。あんなに飲んだのは久しぶりや。

──小牧さんが寝坊するくらいですからね。

小牧 そうやね。普段は絶対に寝坊なんてせんから。

──それくらい楽しかったということですよ。

小牧 楽しかったし、エコロクラージュが頑張ってくれたのもうれしかった。なんか夢が現実になってきたような気がしてね。とりあえず、次は12月25日の兵庫ゴールドTを使う予定なんやけど、そこを勝てばフェブラリーSに行けるんちゃうかな。遊ばれんように勝たなアカンというくらいのレベルまできたね。

──勝ったウィルソンテソーロと2着のシックスペンスには離されましたが、3着のペプチドナイルとはコンマ2秒差ですからね。

小牧 そうやね。スタートもよかったし、なんせいいところで競馬ができたわ。川田の馬を先に行かせたのがよかった。

── 一瞬、どちらが先に行くのかなというシーンがありましたね。

小牧 あそこはね、あえて譲ったんです。あの馬は強いからね。前に目標がいると競馬がしやすいし、実際、本当にいい位置で競馬ができた。あの集団に普通について行っての5着やから、ホンマに楽しみやわ。

──ウイニングランをできるように教育しないと(笑)。

小牧 そうやなぁ。南部杯のパドックでも整列できへんかったし。「間に合わない」って言われて、裏から出たんですわ。

──そんなに!? どうなっちゃうんですか?

小牧 止まるんですわ。で、一度止まると動かへんねん。だから、返し馬も毎回ゲートまで引っ張って行ってもらうしかなくて、ウォーミングアップもできない。

──返し馬で動かなくなったら、どうにもならない…。

小牧 なんせ、僕は調教にも乗れないくらいやからね。助手さんが乗るぶんには大丈夫なんやけど…。

──助手さんが乗っているのか、ジョッキーが乗っているのか、馬が察するんですね。

小牧 たぶんね。賢いんやわ、あの馬。だから、僕の仕事はゲートを出してレースをしてくるだけ。動かなくなったりする割には、全然イレ込まないしね。のんびりしているというのか、何を考えているのかわからん馬やね(笑)。でも、ゲートに入ったら変わるから。

──不思議な馬だなぁ。もう6歳ではありますが、レース後のコメントでは伸びしろにも言及されていましたね。

小牧 レースを使うたびに力を付けてきたなと思うから。もともと馬込みとか全然気にせえへんけど、今回は砂を被っても嫌がらなかったしね。限界を感じないというか、まだ奥が見えないのがいいね。

──あとは、今回10キロ減っていましたけど、まだ太いと。

小牧 体を見ると、まだ太いなぁと思うんやけど、まぁああいう体型やからね。いわゆる、ぽっちゃり系や(笑)。来年は本当に楽しみやで。あの馬と一緒にあっちこっち行けるわ。まずはフェブラリーSに行きたいなぁ。

太論

▲“夢”への実現に向け次走は兵庫ゴールドTを予定しているエコロクラージュ(撮影:高橋正和)



──何が何でも兵庫ゴールドTを勝ってください! さて、南部杯でも見せ場を演出してくれた小牧さんですが、先週は園田でも7勝と大活躍。勝ちっぷりもさることながら、一番気になったトピックは、レース中に差し歯が取れたこと(笑)。

小牧 そうやねん(笑)。ベラジオドリーム(10月10日/園田10R/尼崎そのだライオンズC1/1着)の勝利ジョッキーインタビューでアップで映ってたなぁ。カジカライズ(10月10日/園田8R/C2二/1着)のレースが終わったタイミングで「あ! 歯がない!」って気づいた(苦笑)。土曜日の朝、すぐに歯医者に行ってね。「明後日、南部杯という大きなレースがあって、勝利ジョッキーインタビューがあるかもしれない。歯がないのは恥ずかしいので、ひとまず仮歯を入れてください」言うて(笑)。朝一番でやってくれましたわ。

──ウケる(笑)。ベラジオドリームは案の定、順当勝ちでしたね。

小牧 うん。それにしても、あの馬は真面目に走らんねぇ。走らんというか、本当にのんびりしている感じで。

──単勝1.1倍の馬が出ムチを入れられているシーンを初めて見ました(笑)。

小牧 そうでしょ? ゲートだけは躓かんようにと思ってソローッと出したんですわ。そうしたら全然進んで行かなくて、慌ててムチを入れたんやわ。でもまぁ、一度スピードに乗ったら力が違った。次は11月6日の楠賞(重賞)を予定しているんやけど、これまで重賞で6回も2着があるのに出られるかわからへん。今後のためにも、そろそろ重賞で決めたいところなんやけどね。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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