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話題の『ザ・ロイヤルファミリー』に「オファーお待ちしてます!(笑)」 小牧太騎手が教えるドラマの“見どころ”とは

  • 2025年10月21日(火) 18時01分
太論

▲小牧太騎手が教えるドラマの“見どころ”とは(撮影:稲葉訓也)


早いもので、今年も残り2カ月半。先週も4勝を積み上げ、2位の廣瀬航騎手との差を23勝と広げた小牧騎手。いよいよ兵庫リーディングが現実味を帯びてきたなか、先週も2着に2秒もの圧倒的な差をつけた衝撃的な勝利がありました。

今週の『太論』では、地方ならではの“尾持ち”効果にも触れながら、先週の競馬を回顧。ファンからの質問に答えるなかで、話題の『ザ・ロイヤルファミリー』についてのレアな情報も!

(取材・構成=不破由妃子)

地方競馬ならではの“尾持ち”効果「落ち着くし、トモも踏ん張れる」


──先週木曜日(10月16日/園田3R/C2三/ダ1400m)のメイショウランザンは、前走に続いて向正面からの一気のマクリで、今度は2着馬に2秒という大差をつけての大楽勝。めちゃくちゃ強かったですね。

小牧 あの馬、強いね。僕、普段はああいう競馬(マクリ)はしないんやけど、あの馬だけは、わざとああいう競馬をしたんやわ。前回、最後方からマクって強い競馬をしたし、今回は相手やと思っていた1番の馬が内にいたから、僕がこの前みたいな競馬をしたら詰まるやろうなと思って。

──そういう狙いもあったとは。

小牧 何より、気分的にああいう競馬が合う馬なんやろうね。道中で内に入ったり外に出したり、あとは砂を被ったりするのは嫌なタイプやと思うわ。

──あくまで自分のリズムと完歩、自分のタイミングで動くのがいいタイプ。

小牧 うん、そうや思う。JRAに戻らず、ずっとこっちにいる馬やからね。まだまだこの先も楽しみやわ。

──続いては、メイショウランザンからの連勝となったステラノヴァ(10月16日/園田4R/C2二/ダ1400m)。中央からの転入初戦でしたが、これもまた順当勝ちでしたね。

小牧 時計的には速かったけど、馬はちょっとズブいタイプやね。あの馬、中央でずっと2、3着にきていた馬で、しかも(武)豊くんが乗っていた馬やから。力はあるよ。

──終いは確実にくるけど、ゲートに課題がある馬というイメージでしたが、今回はゲートもポンと出て。

小牧 地方の場合、ゲートの後ろで厩務員さんが尾っぽを持ってるんですわ。ゲートが開く寸前まで尾っぽを持ち上げてる。

──ああ、“尾持ち”といわれる手技ですね。

小牧 中央では禁止されているからできないんやけど、地方はできるから。尾っぽを持っていると、トモに力が入る。それでゲートを出るようになる。

──なるほど。そういう効果があるんですね。

小牧 地方では全然珍しくなくて、最近もよう尾っぽを持ってもらってるよ。ゲートのなかで暴れる馬も、人間が尾っぽを持っていたら暴れんし。エコロクラージュもそうやで。今はだいぶおとなしくなったけど、前はゲートのなかで頭を上げたりしていたから、今でもずっと尾っぽを持ってもらっている。そうすると落ち着くし、トモも踏ん張れるしね。ステラノヴァも効果があったね。

──さて、今週ですが、明日のメインレースでモズアカボスとのコンビが復活。太ファンにとって、思い入れのあるコンビですからね。

小牧 今回は速い馬ばっかりやから、5番枠からまともに行ったら絶対に揉まれるわ。揉まれるのは絶対にダメやから、今回は腹を括って、後ろから競馬をしてみようと思ってね。新子調教師とも、そういう話をしたところ。

太論

▲中央時代ラスト勝利を飾ったモズアカボスとコンビ復活(c)netkeiba


──それはそれで楽しみです! それはそうと、今週は8鞍、8鞍、7鞍。ほぼ上限いっぱいですね。

小牧 今年ももう残り2カ月半やからね。頑張らな。

──リーディング奪取に向けて、最後の追い込みと。

小牧 うん。みんな期待してくれているから。ここにきて、廣瀬くんと差が20勝以上開いたから、あとはもうケガをせんように。それだけや。

──最後にファンからの質問をひとつ。「ドラマ好きの小牧さんに質問です。『ザ・ロイヤルファミリー』はもちろん観ていますよね? ぜひ現役ジョッキーの感想を聞かせてほしいです!」。

小牧 あのドラマ、面白いねぇ。ただ、ひとつだけ…。レースのシーンのCGがちょっと気になる(苦笑)。

──わかります…(苦笑)。

小牧 それにしても、競馬の世界をようあそこまで描いてくれたなと思って。僕から見ても、素直に面白いもん。そういえば、レース中にたまにロイヤルの馬だけアップで抜かれるところがありますやん。追っているシーンとか。

──ありますね。

小牧 あれ、乗ってるの赤木(高太郎)くんやわ。

──赤木さん!?

小牧 赤木くんも監修として入っているし、あの格好は完全に赤木くんや。電話して聞いてみたら、2月くらいから北海道に行ったりして、いろいろドラマの手伝いをしていたみたいよ。

──そうでしたか。今週から意識して観てみます! 小牧さんが今、JRAのジョッキーだったら、「僕も俳優デビューさせてよ!」って自ら売り込んでましたよね、絶対。

小牧 ああ、言うてたかもね。まぁ今からでも遅くはないので…。オファーお待ちしています(笑)。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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